研究課題/領域番号 |
09440111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小西 健陽 近畿大学, 理工学部, 助教授 (00088501)
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研究分担者 |
高橋 保 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20047137)
大原 荘司 奈良産業大学, 経済学部, 教授 (60194271)
辻 勝文 近畿大学, 理工学部, 助教授 (30088439)
山本 勲 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50090220)
和田 倶典 岡山大学, 理学部, 助教授 (10033200)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | 宇宙線 / 空気シャワー / カオス / フラクタル次元 / Cosmic Ray / Air Shower / Chaos / Fractal Dimension |
研究概要 |
我々は、これまで宇宙線空気シャワーイベントの到来時間差の時系列中にカオス性を見出したが、その特徴をさらに詳しく調べるため、全国8大学による大広域空気シャワー観測網(LAAS)を構築し観測地点を増やした。現在、近畿大にデータサーバーを置き、各大学からインターネットでデータが利用出来るようになっている。カオス解析においては、トリガーレイトが我々の約10倍の他の実験グループのデータにおいても、カオス特性が示されており、さらに最大リアプノフ指数による判定でも、カオスであることが確認されていることなどから、宇宙線カオスの存在については、間違いないものと考えているが、いわゆるランダムデータからも得られるカオス的特徴を持つデータ列の存在があり、これとの区別についてもある程度明確にすることができた。 1.明確にカオス性を示す宇宙線データ列について、その前後のデータ列を詳しく調べたところ、それらの中にカオス性を示すものが更に存在し(連続カオス性)、約23時間の周期性を示した。 2.明確にカオス性を示すデータ列のみについて、その平均到来方向をプロットすると、ほぼ2つの方向(赤経4±1時と19±1時)の周りに集まる傾向を示した。 また、大広域の観測体制という利点を活かして、遠く離れた2ヶ所以上の観測地点における空気シャワーイベントの同期探索をしたところ、つぎのような結果を得た。 3.探索条件「3ヶ所以上、時間幅64秒以内、見込み角度7度以内」でMkn501方向において同方向イベント解析を行い、イベントの増加を示した時刻がHEGRAで観測された3ヶ所の最大フラックスの時刻と一致した。 4.予備的な結果ながら、到来時間差150μ秒未満、角度差7°未満の条件の下で、岡山理大-近畿大および弘前大-近畿大において同期するイベントがそれぞれ1例づつ見つかり、到来方向がいづれも我々の銀河面に近いところを示していることが分かった。 これらの事を確認するためには、LAASグループの観測装置による空気シャワーイベントの到来角度決定精度はせいぜい±5°程度なので、角度の決定精度を向上させる工夫が必要である。我々の小規模アレイでは、空気シャワー中のμ粒子を利用した角度決定との併用でそれが可能と考えている。
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