研究課題/領域番号 |
09440128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 康夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00013483)
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研究分担者 |
佐藤 憲昭 (佐藤 徳昭) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30170773)
山田 和芳 京都大学, 科学研究所, 教授 (70133923)
廣田 和馬 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90272012)
水木 純一郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | X線磁気散乱 / 軌道整列 / ATS散乱 / 放射光 / Jahn-Teller効果 / Mn酸化物 / 中性子散乱 / 軌道分裂 / Tahn-Teller効果 |
研究概要 |
電子物性の新しい側面としての「強相関」相互作用の理解の為に、遷移金属酸化物の「高温超伝導」「コロサル磁気抵抗」の発現の問題をとりあげた。中でも最近見つけられた磁性を担う電子の軌道の重要性に注目し、放射光X線を用いた軌道整列の観測を第一の目的に掲げ成果を出した。 第1には反強磁性絶縁体のLaMnO_3の結晶中のMn電子の軌道整列が何故放射光X線の異常共鳴散乱で観測されるかを初めて基本的に証明した。この研究成果は最初に発見された放射光実験を論理的に正しいことを初めて証明したことにもなった。それと共に新しい成果として「軌道」整列が協力的Jahn- Teller(JT)効果で起こることを格子歪みの回折実験を同時に行って明確にした。残る問題としてはこの相転移が、連続的(2次転移)であるか否かと反強磁性オーダーが起こる温度領域でのX線散乱強度の異常の原因を明らかにすることである。 第2にはLaMnO_3に「正孔」を注入して金属化させる際、その濃度が1/8近くで起こる相転移に注目した。この相転移が「軌道」整列に重要な役割をしている事を発見した。しかもこの「軌道」整列にはJT歪みとは無関係で起こることも確認された新しい現象であることを発見し、相転移の原因は「軌道」整列が融けると同時に電荷が乱雑になる傾向を見出し、軌道-電荷-磁性の携がりを証明する結果となった。 第3には、この基盤研究の成果を発展させる為に理論家と協力して「軌道」の揺らぎを検出する可能性を追求した。更に戦略研究にも採用され、来年度以降新しい実験装置をSPring8に建設する計画が進んでいる。
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