研究課題/領域番号 |
09440132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保田 実 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60192035)
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研究分担者 |
柄木 良友 東京大学, 物性研究所, 助手 (30186027)
ZALALUTDINOV M 東京大学, 物性研究所, 外国人研究員
KOVACIK V 東京大学, 物性研究所, 外国人研究員
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1998年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1997年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 量子渦状態 / 薄膜超流動 / 2次元3次元超流動 / KT転移 / ラムダ転移 / 回転超流動 / 量子渦科学の基礎研究 / 渦糸 / 理想2次元薄膜超流動 / 2次元性・3次元性をもつ超流動 / 転移温度可変 / 臨界速度 |
研究概要 |
単原子層内外の極薄い「固体基盤上に形成した超流動He薄膜」は、理想的2次元超流動性を示す事が知られている。この様な超流動薄膜を「孔径が制御され、3次元的繋がりを持った多孔質」の中に作ると、薄膜の2次元性と基盤の3次元的繋がりを反映した3次元性を併せ持つ超流動を作り出す事が出来る。而も他の超流動超伝導と違って、膜厚によって超流動転移温度をミリケルビンから2K近くまで連続的に変え得る大変ユニークな系が出来る。 本研究は、とりわけ基盤である多孔質の孔を制御し、その孔径や、トポロジーのもとの環境下で出現する超流動現象を研究しようというものである。 第一の成果は、高安定高感度捻り振り子法によるもので、回転下で見出される二つのエネルギー散逸ピークの回転角速度依存性、温度依存性、AC速度依存性を定量的に解析し、二つのピークが各々この系での2次元及び3次元量子渦の動力学に起因する事を見出したことである。成果の一部はJ.Low Temp.Phys,他、数編の論文として報告し、また更に準備している。 第二に、精密な超流動流れ実験から、高温側の2次元的振る舞いの後ある臨界的超流動速度が存在して、これ以下で、2次元とは違う3次元的流れ状態を見出した事である。 第三に、渦糸固体の凍結、融解転移の発見である。第1の成果を更に定量的解析を進める中で、回転下でTc以上の温度から低温に冷やしていくと2D渦対に起因するエネルギー散逸ピークの他に現れる低温側のピークは更に低温まで冷やしていくと、やがて消失して散逸のない状態が回転下でも存在することが判明した。o Kから温度を上げていくとある温度でエネルギー散逸が生じ始め回転ピークになる。この散逸が生じ始める温度は高速回転時ほど低温側から現れ始めることが見出された。また、このTc近傍での振る舞いはHe膜厚を変えてもTcでスケールしている事が見出された。この事から回転下の散逸ピークは3次元超流動転移近傍での渦糸融解と渦糸のダイナミクスによって生じていると言えよう。
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