研究課題/領域番号 |
09440136
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前野 悦輝 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80181600)
|
研究分担者 |
山田 耕作 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90013515)
石田 憲二 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90243196)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
|
キーワード | 超伝導 / ルテニウム酸化物 / スピン3重項超伝導 / Sr_2RuO_4 / 比熱 / NMR / p波超伝導 / 異次元超伝導 / P波超伝導 / 異方的超伝導 / 層状酸化物超伝導 / アイソトープ効果 |
研究概要 |
本研究は層状ルテニウム酸化物Sr_2RuO_4の超伝導状態を究明することを目的に行った。その結果,以下げるようにスピン3重項超伝導の物理を開拓することになる成果が得られた。 1.核磁気共鳴のナイトシフトの測定から、スピン磁化率が超伝導転移によって変化しないことを見出した。これにより、Sr_2RuO_4の超伝導は全スピン1のクーパー対が担うスピン3重項であることを決定づけた。 2.ミューオンスピン緩和の実験から、超伝導状態で自発内部磁場が発生していることを明らかにした。このことから超伝導状態では時間反転対称性の自発的破れが生じていると結論できる。 3.上記1・2の成果から、擬2次元面に平行に磁場を印加した場合に、超伝導転移が2段階で起こることが理論的に予想されるに至った。交流磁化率および比熱測定によって、そのような現象を探索した結果、上部臨界磁場付近に2段超伝導転移を誘起させることに成功した。この結果はスピン3重項特有の電子対波動関数の内部自由度によるものと理解でき、超伝導状態に関する大きな検証となる。 4.Sr_2RuO_4とRu金属の共晶結晶において、超伝導転移温度が倍増するという,新奇な効果を発見した。詳しい測定の結果、超伝導はあくまでSr_2RuO_4のRuO_2面が担っており、2相の界面において転移温度が上昇していることなどを明らかにした。 5.Sr_2RuO_4の電子状態の性質を忠実に取り入れた理論を展開し、電子間の磁気的相互作用の特質をはじめ、基底状態の磁気的性質、さらにスピン3重項の超伝導電子対形成機構に関する理論を構築した。
|