研究課題/領域番号 |
09440139
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
網代 芳民 九州大学, 理学部, 教授 (00025438)
|
研究分担者 |
浅野 貴行 九州大学, 理学部, 助手 (00301333)
副島 雄児 九州大学, 理学部, 助教授 (10206675)
白鳥 紀一 九州大学, 理学部, 教授 (80028125)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 低次元磁性体 / 量子スピン / フラストレーション / 基底状態 / スピンギャップ / 相転移 / スヒンギャッフ / スピン液体 / スピンフラストレーション / 低次元 / 磁化率 / 高磁場磁化 / 中性子散乱 / μSR |
研究概要 |
本研究においては、磁性体における相転移現象のより深い理解に寄与することを目的として、磁気的相互作用が近似的に一次元もしくは二次元格子内に限定された系、いわゆる低次元磁性体を対象にして、スピン系の協力現象・相転移の機構や普遍性を追求するための研究を行った。通常の磁性体では低温になって熱揺動が仰えられると協力的な相互作用によって規則的な磁気秩序が生じる。この規則的な磁気秩序をスピン系の固体状態とすれば量子スピン効果やスピンフラストレーション効果のために絶対零度においてもスピン秩序がない、スピン液体状態やスピンガラス状態が実現する事が期待されている。本研究の目的は、新規な低次元量子スピン系を現実物質の中に構築し、量子スピン効果やスピンフラストレーション効果によって古典的秩序状態を抑制することによって量子液体的な特異なスピン状態を実現することである。期待される時間的、空間的に大きな揺らぎをもつ特異なスピン状態の検証と解明、更には新しい量子凝縮相の発見や磁場、圧力、ドーピング等による特異なスピン状態の制御、荷電担体を注入する等の展開を図ることを意図した。 補助金によって物質作製が可能になったので、多種多様な量子スピン一次元系のモデル物質を数多く合成した。代表的にはS=1/2Heisenberg反強磁性鎖、S=1/2交替結合鎖、S=1/2梯子鎖、S=1Heisenberg反強磁性鎖、S=1/2とS=1からなる交互スピン反強磁性鎖等を合成し、強磁場磁化測定、強磁場磁気共鳴実験を実施した。これらの系において、系を特徴づける特異な磁場中挙動とくに量子スピン効果を反映したスピンギャップの存在と特徴的な磁化課程を明らかにした。特に顕著な成果としては、S=1/2強磁性および反強磁性三量体からなる一次元反強磁性モデル物質における新しい量子スピン効果を観測し、空間構造を持つ複合量子スピン鎖の特異な磁気特性を明らかにした。更に、外部磁場の印加あるいは不純物イオンの導入によって、スピンギャップを有する量子一重項状態を制御し得異な磁器秩序状態を誘起することに成功した。
|