研究課題/領域番号 |
09440143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
古坂 道弘 (1998) 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60156966)
池田 宏信 (1997) 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研, 教授 (90013523)
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研究分担者 |
池田 宏信 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (90013523)
伊藤 晋一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (00221771)
古坂 道弘 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研, 助教授 (60156966)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 中性子散乱 / パルス中性子 / フラクタル / パーコレーション / 自己相関関数 / 高エネルギー分解能 / スピン拡散 |
研究概要 |
数ある興味深い物理現象の中で、1個の粒子が媒質内を拡散する現象を散乱手法によって観測することは極めて困難であった。このような未解明の物理現象の中には、フラクタル格子上を運動する粒子の従う異常拡散則や低次元格子上のスピンの遅い拡散現象などの問題がある。中性子非弾性散乱実験で得られる散乱関数S(Q,E)を運動量空間で積分すると、厳密に自己相関関数の時間に関するフーリエ変換に等しくなる。これまでの中性子散乱実験では試みられなかったことであるが、近年のパルス中性子非弾性散乱実験手法の進展により、逆転配置型中性子分光器が開発され、自己相関関数の直接観測が可能となった。これによって自己相関関数のエネルギー(従って、時間)依存性がはじめて観測でき、上記研究課題の解明が期待される。 二次元イジング反強磁性体Rb_2CoF_4の高温度での常磁性状態で自己相関関数を測定し、ローレンツ型のエネルギースペクトルを得た。これはパーコレーション点近傍の試料で観測したべき関数型のエネルギースペクトルと対比すべきもので、パーコレーション磁性体中のフラクタル格子の異常拡散則の存在を支持するものである。低次元系のスピン拡散はべき関数型のエネルギースペクトルを示すこと(ロングタイムテール現象)が知られいるが、直接、自己相関関数を測定した例はなかった。一次元反強磁性体CsMnBr_3の単結晶試料を用いて高エネルギー分解能実験を行なったところ、低エネルギー領域でべき関数型のエネルギースペクトルを得た。さらに、三次元希釈磁性体RbMn_<0.39>Mg_<0.61>F_3の高エネルギー分解能実験により、長波長のスピン波が波長が短くなるについれフラクトン励起へクロスオーバーする現象をはじめて観測した。
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