研究課題/領域番号 |
09440157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤井 直之 名古屋大学, 理学部, 教授 (60011631)
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研究分担者 |
小林 茂樹 宇宙開発事業団, 地球観測研究センター, 常勤招聘研究員
木股 文昭 名古屋大学, 理学部, 助手 (10089849)
志知 龍一 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022596)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1997年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 稠密GPS観測 / 可搬型重力計 / 差分合成開口レーダー干渉法 / 急激な火山性地殻変動 / リピートパス航空機合成開口レーダー干渉法 |
研究概要 |
本研究の大きな目標は、新しい急激な地殻変動の観測手法として、差分合成開口レーダー干渉法(C-InSAR)と精密な重力変動および稠密なGPS観測とを統合することのよって、急激な地殻変動の新観測手法の有効性を示すことにある。そのためには、一定限の観測期間が必要であり、2年間を研究期間と考え、現象にそくした適切な場での検証を行うことを主眼とした。この研究の独創性はD-InSAR解析の地上基準点、稠密GPS観測基準点と精密重力変動観測点とを結合する事で従来より高精度で地下の物質移動の推定法となることを示すことである。そして、群発地震の多発している神津島周辺や伊豆半島、測地学的観測が密になされている御前崎周辺などを両者の有効性を実証するのに適切な場所として選んだ。とくに、測地学の分野で近年注目され積極的に検討されてきたGPS観測と精密重力変動観測網の結合は、火山性地殻変動のような大きな変動では非常に有効である。主な成果は、次のようである。 (1)稠密GPS観測基準点とD-InSAR解析の地上基準点との結合 群発地震の多発している神津島周辺では東京都や東京大学地震研究所、国土地理院などにより、GPS観測点や重力基準観測点が設置され年間数cmに達する変動が検出されているが、山頂付近のデータは不十分である。D-InSARの地上基準点を確立するために新たに一周波の簡易型GPS受信装置を神津島の島内に稠密展開しGPS観測を結合をはかった。また、地下物質移動の検出の可能性を実証するために、今後の変化検出を期待して精密重力観測網の測定点拠点を確保した。式根島におけるGPS観測との結合の結果、神津島の北方2kmの所にソースを持つ圧力源がこの2年間の間に膨張したことが分かった。 (2)稠密GPS観測点と精密重力変動観測網の結合による地下の物質移動の推定法 本計画により新たに購入した可搬型重力計と現有の重力計を用いて、精密な重力の時間変化を上記の基準観測点を中心に観測し、可搬型重力計のドリフトや気圧などの補正償法を検討し数マイクロガルの精度が得られた。 なお、本研究において当初計画していたリピートパス航空機合成開口レーダー干渉法(RP-Air InSAR)は、平成9年度にのみ実証のための試験飛行を行った。そして、平成10年度は、実際のデータを取るのではなく解析技術の向上を主眼として研究を行い、少なくとも数日間の間隔で天候が激しく変化しないならば、地上に反射板を適切に配置することにより十分実用に耐えるデータが得られることが分かった。
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