研究分担者 |
嶋本 利彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20112170)
中嶋 悟 東京工業大学, 大学院・理工学部, 教授 (80237255)
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 教授 (30126164)
木村 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80153188)
今井 亮 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90223304)
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研究概要 |
走査型レーザー顕微鏡(laser scanning microscope,LSM)によって岩石組織をデジタル画像として直接読み取り,定量的に解析する方法を報告する.LSMは,レーザーを光源とする走査型の光学顕微鏡である.レーザー光の指向性によって,従来の光学顕微鏡よりも高い空間分解能と鮮明な像とが得られることに加え,共焦点法によって試料の深さ方向にも解像度をもつという利点がある.また,レーザー光の単色性から岩石鉱物の観察に最適なシステムを構築するため,レーザー光の光路に偏光板を挿入した.光源には Kr-Arレーザー(青 488nm・緑 568nm)と He-Neレーザー光源(赤 633nm)を備えており,カラー画像の取得や分光顕微鏡としての様々な応用が可能である.LSMによって,表面形状解析や,鉱物の光学的性質の画像解析,特定の鉱物のマッピングや画像処理を行なった.かんらん石および石英マイロナイト試料に化学エッチング処理をほどこし,反射像において結晶粒界を可視化した.さらにコンピューター画像処理によって画像を2値化し,粒子解析を行なって結晶粒径分布を求めた.また,花崗岩中に,真空中で蛍光樹脂を浸透させ,レーザー顕微鏡で蛍光観察することにより,間隙分布を可視化した.共焦点法をもちいて光学セクションを作り,間隙の3次元構造を調べた.深部付加堆積物の場合,間隙は石英脈や後生的な割れ目に局所化しており,マトリクスの間隙率は,バルクの間隙率測定から得られた値よりも極めて小さい.
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