配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
ハンモック状斜交層理(HCS)は,世界各地のさまざまな地質時代の浅海層にみられる堆積構造である.この構造はストーム時の波と流れでできると考えられているが,成因はよくわかっていない.この研究ではこの構造を造波水槽で作り,野外観察での堆積構造解析とから,この構造の形成過程を明らかにすることであった.研究成果は以下の通りで,「ハンモック状斜交層理とその形成過程」としてまとめた. 1)HCSは振動流でも一方向流でもできる.これを堆積構造の名称として広く使用すべきである. 2)HCSは波長数cmから数10mのものまである.波長1m以上という従来の定義に物理的な意味はない. 3)HCSは粗粒シルトから細礫の粒度範囲にできる.振動流のHCSは粗粒シルトから細粒砂までが多く,一方向流のHCSでは細粒砂から中礫までがある.HCSは細粒砂だけの構造ではない. 4)典型的なHCSを形成する主要な水理領域は,プレーンベッドとアンティデューン領域であろう.HCSの特徴である内部浸食面やハンモック状やスェール状の形態は,アンティデューン領域での安定したconstructive wavesの発生によってつくられる. 5)振動流のHCSは,アンティデューン領域からリップル領域までの広い範囲で形成される.各領域での形態には特徴がある.今後,HCSは領域の違いを反映した形態によってさらに細分されるだろう. 6)振動流のHCSシークェンスの下部(基底から平行葉理部)は,一方向流が卓越した複合流の影響下で形成したと考えられる.
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