研究課題/領域番号 |
09440190
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小倉 紀雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015127)
|
研究分担者 |
上田 真吾 資源環境総合研究所, 大気圏環境保全部, 通産技官
楊 宗興 東京農工大学, 農学部, 助手 (50260526)
高田 秀重 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70187970)
上田 慎吾 資源環境総合研究所, 大気圏環境保全部, (研究職)通産技官
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 化石燃料 / 硫酸イオン / フッ化物イオン(フッ素) / 多環芳香族炭化水素 / 大気降下物 / エアロゾル / 森林生態系 / 北京郊外 |
研究概要 |
化石燃料の燃焼に由来する微量物質として二酸化硫黄、フッ素、窒素酸化物、多環芳香族炭化水素(PAH)などがあり、これらは長距離輸送される可能性がある。中国・北京郊外、わが国の日本海側および東京郊外において大気降下物、エアロゾルなどを採取し、これらの地球化学的な挙動を調査研究した。 北京郊外において降水中の硫酸イオンやフッ化物イオンの濃度や降下量は東京郊外に比べ数倍大きかった。とくに、東京郊外の森林小流域ではフッ化物イオンのインプットの約105%が流出したが、北京郊外の小流域ではその約81%は蓄積されていることが明らかとなった。 わが国における大気降下物中の硫酸イオンの硫黄安定同位体比(δ^<34>S)の測定より、冬季の日本海側に降下するδ^<34>S値の高い非海塩硫酸イオンは内陸部の山岳地帯を越えて関東平野まで達していることが推定された。また、わが国での大気降下物中のフッ化物イオン濃度は夏季に低く、冬季から春季にかけて高い傾向が認められ、大陸での石炭燃焼の影響が考えられた。 大気エアロゾル中のPAH濃度は東京に比べ北京で1桁高く、FluorantheneとPyreneの比より北京では固定発生源が、東京では自動車の寄与が相対的に大きいと推定された。また、日本海側の島根県松江市で大気エアロゾル中のPAHを測定した結果、Benzo-(a)pyrene /Benzo(e)-pyreneの値は小さくこれらPAHは長距離輸送されていること、Fluoranthene /Pyreneの値は1.0以上で固定発生源の寄与が大きいことが推定された。硫黄を含むPASHも検出され、その中で優占したのはPhenanthrothiophene、Benzophenanthrothiopheneなど低分子化合物であることがわかった。
|