研究課題/領域番号 |
09440199
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野村 浩康 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023081)
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研究分担者 |
松岡 辰郎 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60252269)
香田 忍 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10126857)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | 過冷却液体 / 協同運動 / 超音波緩和 / 誘電緩和 / ラマン散乱スペクトル / エチレングリコール四量体 / ヘキサントリオール / プロピレングリコール / ボゾンピーク / 二糖類水溶液 |
研究概要 |
1. 超音波緩和スペクトルから観測された緩和過程から、2つの緩和過程の存在が確認された。遅い緩和過程は、分子集団の協同運動を反映したものであり、モード結合理論におけるαプロセスに相当する。個々の分子の構造は反映されず、相互作用の大きさ(粘性率)に支配される。 2. 二段緩和のうち速い緩和過程についても同様に分子集団の協同運動を反映したものであり、粘性率の温度依存性に対する急激な変化が、協同運動をする分子集団の大きさの急激な変化に対応し、それが二段緩和に対応する。 3. 混合系においては、個々の液体の運動は反映されず、混合した分子集団としての協同運動が起こっている。 4. 誘電緩和スペクトル(〜100GHz)から観測された緩和過程からは2つの過程は観測されず、温度に対して緩和時間の分布に大きな変化は見られない。また測定された平均緩和時間は超音波緩和スペクトルからのそれと比較して4〜4.5倍程度だが、活性化エネルキーがほぼ同じであった。 5. 低周波ラマンスペクトルから観測されたピークから、局所的な密度揺らぎが1THz程度に確認され、構造相関長が1nm程度にあることが確認された。 6. 二糖類水溶液でも40wt%の濃厚状態では、構造緩和が観測された。また、結合様式の違いにより水和の状態がことなるトレハロース、マルトース水溶液に超音波緩和周波数に顕著な違いがみられた。溶存状態の違いが運動の分子の並進時間スケールに影響を与えることが明らかとなった。
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