配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
正負イオンの交差イオンビーム装置を試作し、下記の中和反応によるエキシマーの生成過程を研究した。 Ar^+(^2P_<1/2,3/2>)+SF_6^-→ArF(B,C,D)+SF_5 (1) Kr^+(^2P_<1/2>)+C_6F_5Cl^-→KrCl(B,D)+C_6F_5 (2a) Kr^+(^2P_<3/2>)+C_6F_5Cl^-→KrCl(B,C)+C_6F_5 (2b) Ar^+(^2P_<1/2,3/2>)/SF_6^-反応ではArF(B-X,C-A)エキシマー発光、Kr^+(^2P_<1/2,3/2>)/C_6F_5Cl^-反応ではKrCl(B-X,C-A,D-X)エキシマー発光が観測された。Ar^+の二つのスピン-軌道状態の寄与を調べるためにN_2をArに添加して、Ar^+(^2P_<1/2>)状態を除いてもArF(B-X,C-A)エキシマー発光は変化しなかった。よってAr^+(^2P_<1/2>)/SF_6^-反応は全くエキシマーを生成しないか、Ar^+(^2P_<3/2>)/SF_6^-と同一のエキシマーを生成すると考えられる。反応(2)において各KrCl^*エキシマー状態の生成分岐比は、Kr^+(^2P_<1/2>)/C_6F_5Cl^-反応ではB:C:D=0.05:0.00:0.95で、Kr^+(^2P_<3/2>)/C_6F_5Cl^-反応ではB:C:D=0.71:0.29:0.00であった。両反応とも10^<-3>Torr程度の低圧でもC状態の生成分岐比は小さく、1Torr程度の放電フロー中でエキシマーのC状態の生成比が小さいのは、C状態の発光寿命が長いための衝突緩和によるものではなく、正負イオン再結合反応の本質的な特徴であることが示された。 また正負イオン再結合反応のダイナミックスに関する詳細な知見を得るために、He_2^+/C_6F_6^-中和反応の反応経路をab initio分子軌道計算により求めた。 本研究の予備実験で、偶然、多くの希ガスヘテロダイマー・トリマーイオンの発光を発見するという予期せぬ顕著な研究成果も得られた。
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