研究課題/領域番号 |
09440220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
香月 勗 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40037271)
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研究分担者 |
入江 亮 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70243889)
伊藤 芳雄 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00221086)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | サレン金属錯体 / 不斉触媒 / 不斉誘起機構 / 不斉S-イリド化 / 折れ曲がったステップ構造 / C-H不斉ヒドロキシル化 / 不斉シクロプロパン化 / サレンルテニウム錯体 / 不斉ヒドロキシル化 / CH-π / サレンマンガン錯体 / 不斉エポキシ化 / 速度論的分割 / 分子状酵素 / 不斉ヒドロキシル化反応 / サレン-マンガン錯体 / 不斉(2,3)-Wittig転位 / 非平面構造 / サレンコバルト錯体 / 触媒的不斉[2,3]Wittig転位 |
研究概要 |
光学活性なサレン金属錯体は優れた不斉触媒であるが、その不斉誘起の機構には未だ不明な点が多い。本研究では、サレン金属錯体を触媒に用いる反応の立体化学の詳細な解析、さらにはサレン錯体の構造解析により、不斉誘起機構の解析を行った。 従来、サレン配位子は平面構造をとると考えられていたが、スルフィドの不斉S-イリド化を触媒するキラルなサレンコバルト錯体の触媒活性に対するサレン配位子上の置換基効果の解析より、サレン配位子は平面構造ではなく折れ曲がったステップ構造をとることが強く示唆された。このことは、アキラルなサレンマンガン錯体をキラルな軸配位子とともに用いて不斉エポキシ化を達成することで確かめられた。一方、サレンマンガン錯体のX-線構造解析によって、上に述べたサレン配位子のステップ配座を制御する以下の要因を明らかにした。即ち、サレンマンガン錯体の中のエチレンジアミン部およびマンガンイオンを含む5員環キレートは半イス方配座をとり、サレン配位子に折れ曲がり構造を与える。そしてサレン配位子とマンガンイオン上の軸配位子の相互作用の有無が折れ曲がリの度合いを決定するというものである。これらの知見に基づき、アレンのラセミ体の速度論敵分割、ベンジル位のC-Hヒドロキシル化にも成功した。 一方、サレンルテニウム錯体ではエチレンジアミン部およびルテニウムイオンを含む5員環キレートは歪んだエンベロープ型配座をとるため、より柔軟な構造を持つと推測される。実際にサレンルテニウム錯体を用いて不斉シクロプロパン化を検討したところ、高シスかつ高エナンチオ選択的に反応が進行することが明らかとなった。これは高シス選択性と高エナンチオ選択性を共に達成した最初の例となった。
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