研究課題/領域番号 |
09440229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小坂田 耕太郎 (大坂田 耕太郎) 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | カップリング反応 / パラジウム / アリール錯体 / アルキニル錯体 / 配位子移動反応 / トランスメタル化反応 / 白金錯体 / 銅錯体 / 遷移金属 / 配位子移動 / 有機金属錯体 / 白金 / 均化反応 / ロジウム / アセチリド |
研究概要 |
有機配位子の分子間移動反応はホモまたはクロスカップリング等の有機合成反応の重要な素反応と考えられているが、これについての詳細な検討は本研究関始以前には2、3例に過ぎず、重要な知見はほとんど得られていなかった。本研究は有機遷移金属錯体の配位子移動反応を錯結化学的な立場から検討し、反応の機構を確立するとともに有機合成化学に占める役割を理解し、この成果こ基づいて新たに合成反応を開発することを目的とした。 アリールおよびアルキニル配位子をもつパラジウム、白金錯体の反応でアルキニル配位子のみが分子間移動をおこなうことを見いだし、熱力学的に安定な配位結合をもつアルキニル基が選択的に反応する理由は配位子移動反応の中間体である複核遷移金属錯体がアルキニル基によって著しく安定化されていることを明らかにした。また、この反応が銅塩によって加速されることをみいだし、中間に生成するアセチリド銅化合物の結晶及び溶液構造から反応系中での役割を正確に理解することができた。 ビスアルキニルパラジウム、白金錯体の配位子移動についても詳細を検討し、その熱力学、動力学より反応を支配する因子や反応機構を明らかにした。 アリール配位子の分子間移動反応はカチオン性のパラジウム錯体で見いだされた。ここでは配位不飽和な錯体の分子構造と求電子性の高い金属中心とが円滑な配位子移動に貢献している。これはカップリング反応の機構に新たな提案を与えるものであり、これに基づいて新しい結合形成反応を設計した。 これらの成果を総合して整理し、トランスメタリル化に関連した有機遷移金属錯体化学を確立した。トランスメタル化を研究分野としてこれを広範囲かつ詳細に検討した例はこれまでになく、本研究成果はこの領域の研究を今後大きく発展させるさきがけになることが強く期待される。
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