研究課題/領域番号 |
09440254
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 博章 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40174809)
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研究分担者 |
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
五條堀 孝 国立遺伝学研究所, 教授 (50162136)
田村 宏治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70261550)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 色素細胞 / TRP遺伝子 / チロシナーゼ遺伝子 / マボヤ / 脊索動物 / 原索動物 / 系統解析 / ゲノム解析 / 脊髄動物 |
研究概要 |
本研究は、これまでにクローニングされている脊椎動物色素細胞の分化に関わる遺伝子群に対するマボヤホモログの探索を行い、それら配列の系統解析、マボヤ個体発生における発現パターンの解析、さらにそれら遺伝子をマウス細胞に導入し、脊椎動物の細胞系譜の中で、原索動物の遺伝子がどのように振る舞うかを、発現部域と機能の保存性に注目して解析し、色素細胞発生の分子機構の進化を推察することを目的とした。 1. マウスでは小眼球症(microphthalmia)遺伝子座の産物(MITF:microphthalmia-associated transcription factor)が、メラニン産生の鍵酵素チロシナーゼやその関連配列TRPをコードする遺伝子の転写調節に深くかかわっていることが知られている。この遺伝子のマボヤホモログのクローニングに成功した。マウス小眼球症遺伝子の突然変異体の解析から、脊椎動物特異的な細胞系譜を持つ色素細胞であるメラノサイトの分化には、当該遺伝子の特定のアイソフォームが必須であることを発見した。原索動物であるマボヤの当該遺伝子ホモログはこの脊椎動物タイプのアイソフォームを発現できないことがわかった。 2. マウスの培養細胞にマボヤの遺伝子を導入し、その機能の保存性を解析することにした。その結果、マボヤの小眼球症遺伝子はヒトやマウスのチロシナーゼ遺伝子の転写調節領域に結合し、その転写活性を亢進することが強く示唆された。一方ヒトやマウスの小眼球症遺伝子のある一種類のアイソフォームだけが、マボヤのチロシナーゼ遺伝子の転写調節領域を活性化できた。この結果は、原索動物マボヤがもつ小眼球症遺伝子は祖先型の遺伝子の性質を残しており、脊椎動物誕生の過程で、脊椎動物に進化してゆく動物は、脊椎動物タイプのアイソフォーム発現を可能にする第1エクソンとその転写調節領域を獲得したことを示唆しているものと考えている。
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