配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1997年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
本研究では,光化学系II反応中心の分子構築を,静的な化学構造としての側面と,機能発現および機能制御として動的な側面から解析した。この研究によって得られた主な成果は,以下のとおりである。光化学系II反応中心の中核を構成するD1タンパク質をコードするpsbA遺伝子のランダムな突然変異誘発による改変と,それに続く強光条件下および新しく開発したニトロフラントイン耐性を利用する選抜で,光耐性の機能を獲得した変異株および光化学系IIの電子伝達系の機能に欠損が生じたために光独立栄養性を失ったシアノバクテリアSynechocystis sp.PCC6803の変異株を多数作出することに成功した。ついでこれらの変異株のD1タンパク質上のアミノ酸置換を同定するとともに,変異株から光化学系II標品を調製してその光化学的特性を解析した。これらの解析により,光化学系II反応中心の構造と機能において重要な役割を担っているアミノ酸残基が多数同定され,D1タンパク質の構造機能相関の解析に新しい途が拓かれた。 一方,D1タンパク質の合成の過程における前駆体タンパク質のC-末端プロセシングに関与するプロテアーゼに関してその大腸菌内での大量発現系を開発し,活性をもつ状態で発現された酵素を大量に純化することに成功した。ついで,このようにして純化された酵素標品を用いる解析およびSynechocystisを用いる部位特異的アミノ酸置換の解析から,新規のセリン型プロテアーゼと考えられるこの酵素の活性中心,酵素・基質相互作用及び機能制御について数々の新知見を得て,今後の構造解析に足がかりを与えた。
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