研究課題/領域番号 |
09440272
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物形態・構造
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
堀 輝三 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90057563)
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研究分担者 |
野崎 久義 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40250104)
宮村 新一 筑波大学, 生物科学系, 講師 (00192766)
井上 勲 筑波大学, 生物科学系, 教授 (70168433)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 雄性配偶子 / 精子 / コケ植物 / シダ植物 / 緑藻 / 裸子植物 / 藻類 |
研究概要 |
本研究は陸上進化系列に属する植物の有性生殖における精子の螺旋形態の生物学的意義を評価する目的で行った。結果の要約を以下に述べる。(1)陸上植物の進化系列に属する植物が産生する雄性配偶子(精子)の形態は、基本的外部形態または細胞内構造のいずれか、あるいは両方の点において、螺旋性すなわち非対称性を示す。最も顕著な精子形態の特徴は、螺旋化した流線型の体型とその表面に配列すを鞭毛の螺旋配列表れる。細胞内部構造的な非対称性は、細胞核、前ミトコンドリアそして鞭毛基部の配列に認められる。(2)2鞭毛性精子はシャジクモ藻、コケ植物、そして少数のシダ植物・ヒカゲノカズラ類で生産される。2鞭毛性精子では2本の鞭毛は細胞先端部に挿入されているが、先端部から僅かに側方にずれている。従って、精子は非対称となる。2個の鞭毛基部は同型性で、平行に並び、前後に僅かにずれる。これは、他の進化系列の植物の配偶子とは大きく異なる点である。(3)多鞭毛精子は、大多数のシダ植物と少数の裸子植物(イチョウ、ソテツ)で生産れる。この精子では、鞭毛は約4つの方向に伸び、その基部はMLSの上で複数の列をなして螺旋的に配列している。異なる方向をもった配列は、遊泳時におけるそれぞれの役割の分担を示唆している。細胞前方から見たとき、細胞体は左旋回の螺旋性を示すことが基本である。(4)このような形態的特徴を持った精子は螺旋回転運動をしながら、前方に進むときも螺旋軌軌跡をえがきながら前進する。たの進化系列の遊走細胞に見られるような、後退運動はしない。のが特徴である。(5)精子細胞体の螺旋性、そして鞭毛の螺旋配置が造卵器に進入するときの穿孔機能として有効に働くものと考えられる。しかし、シャジクモ藻の一部、即ちColeochaeteやKlebsormidiumなどの卵形形態の精子における意義は不明である。
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