研究課題/領域番号 |
09440284
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (20108723)
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研究分担者 |
松田 裕之 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (70190478)
篠田 謙一 佐賀歯科大学, 医学部, 助教授 (30131923)
飯塚 勝 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20202830)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 弥生人 / ミトコンドリアDNA / 古人骨 / 古人口学 / 集団遺伝学 / 通婚圏 |
研究概要 |
北部九州の縄文から弥生への移行問題に関し、その資料欠落期における渡来系、土着系両者の人口動態を集団遺伝学的な手法を用いて分析した。その結果、北部九州では少数の渡来人が人口を急増させたとする仮説の合理性が裏付けられ、当地の考古学的な見解とも矛盾せずにこの間の推移が説明できることが明らかとなった。これによって、従来のような大量渡来を想定する必然性の無いこと、及び、弥生農耕社会への変革は、土着縄文人ではなく、やはり渡来人集団に帰すべきだとの考えが支持された。 ・北部九州に所在する多くの遺跡群の中で、その規模、出土遺構、遺物の内容等において吉野ケ里遺跡に匹敵するとされる福岡県筑紫野市隈・西小田遺跡の出土人骨を主な研究対象として、形態、ミトコンドリアDNA、及びそれらに考古学的な情報を加味して古人口学的な分析を実施した。形態的には従来から指摘されている「渡来系弥生人」的な特徴が非常に際だった集団であることが確認され、同時にそれらのミトコンドリアDNA配列が明らかにされた。これによって現代日本人の成立に重要な役割を果たしたとされる、いわゆる「渡来系弥生人」の形態とミトコンドリア遺伝子との関係が初めて明らかとなった。また、わが国ではほとんど類例のない古人口学的な詳細な分析が加えられ、当時の弥生人社会の平均寿命や出生・死亡状況、及び人口動態についての新知見が得られた。
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