研究課題/領域番号 |
09450018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅原 康弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40206404)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 原子間力 / 清浄表面 / 単原子観察 / 半導体表面 / 引力 / ダングリングボンド / 化学結合 |
研究概要 |
1) 現有の原子間力顕微鏡の超高感度化 探針先端に働く非常に微弱な引力勾配を高感度に測定するため、超高感度な変位検出系と超高感度な周波数変調回路を実現した。 2) 清浄で先鋭な探針の実現 活性な半導体清浄表面に対して安定な単原子観察を実現するため、原子レベルで先鋭で清浄な探針を実現した。 3) 活性な半導体清浄表面に対する単原子観察条件の理論的検討 活性な半導体清浄表面を原子分解能で測定するために必要な引力勾配の大きさについて理論的に検討し、10N/m以上であることを見出した。 4) 表面に弱く結合した原子(アダトム)の原子分解能観察条件の解明 加熱清浄化処理により得られるSiの活性な(111)再構成表面を、探針と試料表面間に働く引力勾配を変化させながら観察し、表面に弱く結合した原子(アダトム)を原子分解能で安定に観察できるための引力勾配の大きさを解明した。また、原子分解能観察に必要な引力勾配の大きさは、探針先端のダングリングボンドの有無により大きく変化することを見いだした。 5) 軌道混成による力の原子レベル測定に成功 金属を吸着したSi表面とダングリングボンドを持ったSi探針との間の相互作用力が、Si清浄表面における場合と比較してどのように変化するのかを検討した。その結果、探針が試料から離れている時には、ファンデルワールス(vdW)力やクーロン力が画像化に寄与し、他方、接近している時には、Si-Ag原子間の共有結合軌道と探針先端のダングリングボンドとの軌道混成による力が画像化に寄与していることを解明した。 6) 金属単結晶表面の原子分解能観察に世界で初めて成功 これまで、非接触AFMを用いて、金属単結晶表面を原子分解能で観察できたという報告はない。本研究では、金属単結晶表面であるAg(111)表面を世界で初めて原子分解能観察することに成功した。
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