配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1997年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
1.光放射圧下での微粒子分散系の動特性 (1)照射レーザー光のビーム横断面方向では、レーザービームの強度勾配に起因される放射圧成分により,個々の微粒子はビームの中心に引き寄せられ,移動範囲がほぼビーム径で制限されたブラウン運動を行う. (2)ビーム伝播方向では,ビームウエスト周辺でほぼ一定の速度で,ビーム伝播方向に並進運動を行なう. (3)以上二つの方向での運動変化は,いずれもレーザー光の出力増加,ビーム径の縮小,および微粒子径の増大に伴って顕著となる. (4)これら光放射圧による運動変化は,Fokker-Planck方程式と一般化Lorenz-Mie理論を組み合わせた系の数理モデルにより表現でき,数値的に解析することができる. (5)ビーム伝播方向への微粒子の並進運動に関しては,粒子径がビーム径より小さい場合にその駆動速度がビームウエストで最大となり,その値は粒子径の増大に対して単調に増加する.粒子径がビーム径よりも大きい場合は,駆動速度はビームウエストから離れた位置で最大となり,その位置は粒子径の増加に伴って単調に増加する. 2.光放射圧下での微粒子分散系の光散乱特性 (1)光放射圧による微粒子分散系の運動形態変化の反映として,この媒質からの散乱光波の強度ゆらぎの時間相関関数は動的光散乱法の理論から得られる単一負指数関数ではなくなり,その相関時間はレーザー光の出力増加,ビーム径の縮小,および粒径の増大に伴って増加する. (2)クラスター状に凝集した微粒子分散媒質からの後方散乱光には,多重散乱媒質の特徴である後方散乱エンハンスメントが観察され,その分布形状と散乱光強度ゆらぎの時間相関関数は,微粒子凝集体のフラクタル次元に対する依存性がある. (3)後方散乱エンハンスメントの分布形状ならびに相関時間に現れるフラクタル次元依存性は,検出する散乱光の偏光方向により異なる.これは,平行偏光成分には複数の微粒子凝集体のマクロなスケールでの3次元空間分布が強く反映し,垂直偏光成分には微粒子凝集体内部のミクロなスケールでの空間構造が反映することによる.
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