配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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研究概要 |
機械の省エネルギー,低環境負荷,高効率等に対し,伝動装置の軽量・コンパクト化は必須の事柄であり,伝動装置の内でも歯車伝動装置の利点を活かして,この問題に取り組むことが重大な課題となっている.本研究は,歯車伝動装置のコンパクト化のための歯面強さの向上を複合表面改質にて成就させるための基盤研究である.熱処理により表面硬化された歯車にさらに各種表面改質を施し,歯車強さとしては,面圧強さと焼付き強さに対象を絞って,実験解析により研究し,表面強さ向上機構,表面損傷機構,表面強さ設計法,表面損傷に伴う動的性能評価法を明らかにすることを目的としている. 平成9年度において製作した動力循環式歯車試験機および現有の2円筒試験機を用いて,複合表面改質として浸炭処理後ショットピー二シグ処理を施した歯車とローラの疲れ試験を行った.通常の鋼(JIS:SCM415)および焼結材を用いて複合表面改質を行った結果,鋼ではショットピーニングの強さを示す指標のアークハイト値が高い試験片ほどその面圧強さは増す傾向にあった.それに対し焼結材では.アークハイト値が高い試験片では浸炭のみを施した試験片よりも面圧強さは低下した.また,アークハイト値が低い試験片では浸炭のみを施した試験片よりも面圧強さが向上した.鋼製試験片ではショットピーニングにより内部に残留応力が付加されることでき裂の発生と進展が抑制されるため,ショットピーニング試験片の面圧強さは向上する.一方,焼結材試験片では,アークハイト値が高すぎると焼結材内部に存在する気孔が押し潰され,切り欠き感度が高くなるため面圧強さは低下するが,アークハイト値が低ければ気孔の形状はほとんど変化せず,ショットピーニングによる残留応力付加の効果で面圧強さが増加するということが判明した.
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