配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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研究概要 |
レーザー蒸発超音速膨張クラスター生成装置を改良し,FT-ICR(フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)質量分析装置に直接導入することにより,大きなシリコンクラスター(具体的にはSi_<10>〜Si_<30>)を生成し,その質量分析を行った.さらに,エチレンおよび一酸化窒素との化学反応の実験を行い,クラスターサイズによって特異な反応レートを示すこと,エチレンは単純な吸着であるが,一酸化窒素の吸着後にはSi原子を引き抜くとともにサイズによっては,クラスターが崩壊することが明らかとなった.さらに,レーザーによるクラスターのアニーリングと解離実験ができることを確認した.また,レーザー解離実験と比較するために古典分子動力学法によるシリコンクラスター解離のシミュレーションを行い,解離の動的なプロセスを検討した. 一方,炭素と金属原子を含む各種の材料をクラスター生成装置に用いることによって,単層炭素ナノチューブや金属内包フラーレンの生成と関連する金属・炭素混合クラスターを生成させ,その化学反応からその幾何学形状に関する情報を得た.具体的には,Laと炭素との混合試料を用いることで,従来知られていない小さいサイズ(LaC44)でもすでにLa原子は炭素ケージに内包されていると考えられる実験結果を得た.さらに,単層炭素ナノチューブ生成の触媒として用いられるNi/Co混合試料を用いた場合は,Niが不完全な炭素ケージの外側に付着することがクラスター反応実験によって確かめられた.これらの実験的結果を説明するために,炭素と金属原子(La,Sc,Ni)を含む系でのクラスター生成について分子動力学法シミュレーションによって検討し,実験結果を強くサポートする結果を得た.
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