配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
本研究では,乱流の直接数値計算とレーザ計測を用いて乱流のコヒーレント微細構造に基づく乱流輸送現象の解明を行うことを目的としている.始めに,一様等方性乱流,時間発展乱流混合層,空間発展乱流混合層,平行平板間乱流,回転一様乱流及びMHD一様乱流の直接数値計算結果からコヒーレント微細渦を抽出し,それらの統計的性質を検討した.その結果,コヒーレント微細構造の周方向平均速度分布はBurgers渦によって良く近似でき,平均直径と周方向最大速度はそれぞれKolmogorov scaleの約10倍と二乗平均変動速度程度であり,それらは乱流場やレイノルズ数に依存しない普遍的な特性であることを明らかにした.また,このようなコヒーレント微細渦の回転軸の空間分布の規則性が種々の乱流場の非等方性と関連する.次にコヒーレント微細渦に作用する歪み場の特性を詳細に検討した.その結果,コヒーレント微細渦に作用する歪み場は,一様等方性乱流,乱流混合層,平行平板間乱流等の乱流場に依存せず,回転軸方向に中間歪み率が,回転平面内には最大・最小歪み率が作用しており,微細渦中心の歪み率の大きさはテイラー・マイクロスケールと変動速度のrms値を用いて正規化できることを明らかにした.また,コヒーレント微細渦構造は回転平面内で非対称性を有し,速度パターンは明確な楕円形を示すことを明らかにし,それらの高解像度のPIV計測により検証した.この非対称性は,渦周囲に形成されるエネルギー散逸分布とも関連しており,非対称性により非常に大きなエネルギー散逸が生じている.さらに,コヒーレント微細渦に基づく乱流輸送現象を明らかにするために,粒子輸送,スカラー輸送及び燃焼を伴う乱流場の直接数値計算を行い,乱流のコヒーレント微細渦が乱流中での固体粒子の空間分布,スカラー変動の形成と散逸,乱流予混合火炎における局所火炎構造を決定する非常に重要な構造であることを明らかにした.
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