配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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研究概要 |
本研究では,蒸気爆発が定常的に発生する状態の水アトマイズ法を実現し,数10〜数100μmの大きさの金属粒子を得ることを目的とする.平成9〜10年度にかけて,鉄換算で50g,最大温度1700℃までの鉄系試料を溶解可能な水アトマイズ法による粉末製造実験装置を製作した.金属試料の加熱溶解には,現有の誘導加熱用高周波電源を用いた.粉末製造試験装置本体,高圧水循環系を作成し,予備実験を行った.まず,細粒化のパラメータとなるノズル形状・噴射角度,水温等を変化させて様々の粉末の製造実験を行った.水噴流を形成するノズルには,直線的に噴出する直射ノズルと末広がりの形状に噴出するフラットノズルの2種類のノズルを用いた.各々のノズルを4本設置し,噴出した水を一点に集中させ焦点を作り,その焦点に融解した鉄を落下させた.実験では水温を0〜80℃,水と鉄の接触する角度を30〜60°まで変化させながら,生成される鉄粉の形状,粒径や歩留まりに及ぼす効果を調べたところ,最適条件は噴射角度30°,直射水ノズルの直径1.0mm,石英ガラスノズルの直径1.5mmであることが分かった. 平成10年度の後半から11年度にかけて,水アトマイズ法とは別に,酸化亜鉛粉末の製造予備実験も行なった.酸化亜鉛は金属亜鉛を蒸発させて酸化させることにより製造するが,通常の製造法では外部熱源による加熱が必要である.しかしながら,熱力学的検討から生成した酸化亜鉛粉末から熱回収を行なえば,自力燃焼が可能である.本年度は,自立燃焼可能な粉末製造プロセスの予備実験装置を製作し,実験を行なった.空気流量10L/min,アルゴン流量5L/min,ヒータ入力1100Wにおいて持続時間15分を達成した.顕微鏡写真観察によると,本研究で製造された酸化亜鉛粉末は市販のものに比べてサイズが大きい.その後も反応装置の改良を進め,現時点では反応熱280W程度の反応熱を回収するこができた.この装置を実機規模にすれば,熱損失は相対的に減少することが期待される.現時点では自力燃焼するまでに至っていないが,ある程度の量の酸化亜鉛粉末を製造することができた.
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