配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1997年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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研究概要 |
本研究は,空調機・ヒートポンプ・冷凍機の蒸発器を対象として、冷媒の水平蒸発管内におけるドライアウト点とポストドライアウト熱伝達の特性を明らかにし,それらの精度良い予測式を確立することを目的とする.水平に配置した平滑管とら旋溝付管で得たHFC-134aおよびHCFC-22の実験データを検討して,以下の成果を得た. 1.水平蒸発管では,垂直管の場合と異なり,ドライアウトの開始点と完了点は一致せず,ドライアウトが始まってから完了するまでに0.1〜0.2のクオリティの幅がある.平滑管および溝付管について,それぞれドライアウト開始点とドライアウト完了点のクオリティの特性を検討し,流量と熱流束の影響の違いによって平滑管では三つの特性域に,また溝付管では二つの特性域に分類されることを明らかにし,各特性域ごとにこれらのドライアウトクオリティの無次元整理式を作成した.得られた整理式は,平滑管ではクオリティの絶対値で±0.03以内の精度で,またら旋溝付管では±0.02以内の精度で,実験データを予測する. 2.平滑管の場合,ドライアウト完了点以後のポストドライアウト域では,流れは噴霧流で,気液二相は熱力学的非平衡の状態にあるとみなされる.管壁から蒸気,蒸気から液滴への伝熱の経路を考えて,非平衡状態での実クオリティを見積もる式を作成した.この実クオリティから蒸気流量が求まり,蒸気単相としてGnielinskiの式から管壁温度の値を算出することにより,熱伝達係数を求めることができる.熱伝達係数の予測値は,実験値と±10%以内で良く一致する.一方,溝付管のポストドライアウト域では,ドライアウト完了クオリティが1近傍であるため,過熱蒸気単相流の熱伝達とみなしてよく,作成した溝付管の管摩擦係数の整理式を用いて,Gnielinskiの式から熱伝達係数を精度良く予測することができる.
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