配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
本研究では,医療手術の模擬/訓練システム構築を目指して,種々の視点からの基礎的な研究を行った.まず医療手術のシミュレーションでは不可欠な柔軟物体のモデル化のためにバネ・ダンパモデルを導入し,バネの収縮長にある一定の制限を設ける手法を提案した.モデルは単に変形操作させるだけでなく,切断や切開も可能とした. 次に運動技能の訓練に焦点を当て,新たな運動技能伝達法を提案した.動作の主体者からの視覚を提示するいわゆる教師視覚提示が,技能訓練において非常に有効であることが示され,振動提示は特に視覚提示が及ばない場面において有意な有効性を示した.医療手術も運動技能の一種であり,ここで提案された手法を適用することにより,効率のよい訓練が可能となることが期待される. 続いて,シースルーHMD上に付加的な映像を正確に重ね合わせるために,画像ベースのトラッキング手法に頭部運動の加速度をも計測して利用する手法を提案した.ここで提案した手法は,激しい頭部の動きに対しても常に仮想映像を正しく現実映像上に重ね合わせることを可能としており,医療手術等の技能訓練システムにおいて重要な「見たものが触れるもの」を実現する上で必要不可欠となる. 最後に,複数の仮想物体を単一の遭遇型ハプティックデバイスで提示するための,ハプティックデバイスの動作計画について論じた.遭遇型ハプティックデバイスは,デバイスからの常時装着感を解放し,物体接触時におけるリアルな接触感覚の提示を可能とし,特に医療手術のように仮想物体の形状が既知で種類も限られている場合に有効な手法である. 以上のように,本研究では医療手術の模擬/訓練システム構築のために様々な角度からの研究を行った.これらの成果は,将来実際に医療手術の模擬/訓練システムを構築する際の重要な基礎となるであろう.
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