配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1997年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
|
研究概要 |
本研究では,超高真空中で動作する走査トンネル顕微鏡(STM)を作製し,現有の分子線エピタキシー(MBE)と連結した超高真空システムを構築し,さまざまな磁性超薄膜,磁性人工格子のMBE成長を試みるとともに,その構造,磁気異方性および磁気光学効果について調べ,以下の結果を得た。 (1)MgO(111)基板上に室温で成長させたAu(111)およびPt(111)表面は,数nmのなだらかな凹凸で覆われている。この上にCoを成長させると,ほぼfcc構造を取り,表面形状があまり変化しないことから,ほぼCoはAu(111)上に層上成長していると考えられる。(111)配向のAu/Co/AuおよびPt/Co/Ptサンドウィッチ膜の垂直磁気異方性への磁気弾性界面異方性の寄与は,Co層が一様に歪んでいるとするモデルで定性的に説明することができた。 (2)Au(111)膜を超高真空中,300℃で熱処理したところ,atomicにフラットなテラスと1から数原子のステップをもつ非常に平坦な表面が得られた。その上に0.5nm成長させたCoは,直径5から10nmの円形のドット状となり,その高さは,2から3モノレイヤーであった。 (3)MgO(111)基板上にPt_<50>Co_<50>組成の合金膜を300℃でMBE成長させたところ,熱平衡図にないCuPt型の規則合金が生成することを見いだした。このPtCo合金は,膜面に垂直な【111】方向に非常に大きな垂直磁気異方性を示し,Kerrスペクトルも通常の規則合金のものとは異なったスペクトルを示した。 (4)MnPt_3規則合金とCo,あるいはCoPt_3規則合金との人工格子をMBE成長させたところ,垂直磁気異方性が誘導され,垂直磁化膜を得ることができた。
|