研究課題/領域番号 |
09450136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
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研究分担者 |
野田 武司 東京大学, 先端技術研究センター, 助手 (90251462)
高橋 琢二 東京大学, 先端技術研究センター, 助教授 (20222086)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1998年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1997年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 10nm級InAs量子箱 / 自己形成 / 逆HEMT構造 / メモリー機能 / 光検出器 / 量子ポイントコンタクト / 共鳴トンネル構造 / 容量・電圧分光法 / 自己形成量子箱 / FET / 量子化コンダクタンス / ヒステリシス特性 / InAs量子箱 / 逆HEMT / 電子状態 / クーロン相互作用 |
研究概要 |
格子定数の整合しない(例えばGaAs)基板上に異種半導体(例えばInAs)を堆積させると、10nm級の量子箱が自己形成する。この量子箱を電子のトラップとして作用させ、電子の有無を1又は0の情報に対応させるメモリーの可能性の探索と10nm級半導体量子箱の電子状態の解明の研究を行った。量子箱をメモリー素子へ応用するために、GaAs/n-AlGaAsヘテロ接合の界面に伝導チャネルを設けた(逆)HEMT(高電子移動度トランジスタ)構造において、チャネルとゲートの間に自己形成InAs量子箱を導入した素子構造を作製した。この素子でゲート電圧を0.9V以上にすると、チャネルの電子が量子箱に流入して捕縛されるため、トランジスタの閾値電圧がΔVだけ正方向にシフトしてメモリー機能を有することを確認した。この特性の解析から、各量子箱に捕縛される電子は一個であることが分かった。その理由は荷電したInAs量子箱はクーロン電界の作用で、二個目の電子の流入を妨げるとともに、仮に二個目の電子が流入してもそのトンネル放出レートが高いために、元の状態に復帰することによる。さらに、電荷の書き込み(流入)と消去(流出)過程について考察し、障壁構造への依存性や光照射による制御の可能性を示した。また、この種のメモリー素子の動作を、量子ポイントコンタクト構造に適用する試みも行った。その結果、コンダクタンスとゲート電圧特性にヒステリシスの現れることを見出した。 10nm級のInAs量子箱をAlGaAs中に埋め込んだ構造で、フォトルミネッセンスおよび容量・電圧分光法によって電子状態の解明を試みた。その結果、電子の量子準位は母体となるAlGaAs中のアルミニウム組成を増すに伴い、約200meVまで上昇する。また、共鳴トンネル電流の磁場依存性から、量子箱中の波動関数についての知見を得た。
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