配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
本研究は誤り訂正能力と再構成能力を兼ね備えた高度耐故障化集積回路システムのための基礎理論の構築を目指すものであり,以下の成果を得ている. 1.複数プロセッサによる並列処理システムのオンライン故障検出・診断:計算のデータ依存関係,計算処理のプロセッサへのマッピングおよび誤りの生成・伝播に着目したアルゴリズムレベル耐故障化のためのチェック要件・チェック構成手法,並びに自律的故障検出・診断のための冗長計算とプロセッサへのマッピング条件・構成手法等を明らかにした. 2.高並列計算処理の誤り検出・訂正のための時間・空間多重:シストリックアレイ型超並列計算においてオンライン誤り訂正を実現する演算,通信の時間・空間多重化の条件と構成手法を明らかにした.また,多重化による高信頼計算においては,そのデータ通信量は膨大なものとなり,データ転送の資源(通信線)共有が不可欠となる.ここでは,本来有する誤り訂正能力を少しも損なうことなく資源共有を行うための条件を明確にし,誤り訂正能力を保った資源最小化(共有最大化)手法を導出している. 3.ULSI/WSI化並列計算ネットワークのための耐故障再構成:メッシュ,トーラスメッシュといった規則構造を有するプロセッサ(PE)ネットワーク上で計算処理を行うためのPE結合網再構成手法,並びに再構成の実現を保証する冗長配線網構造条件を明らかにした. 本研究では主に,数値計算処理系計算アルゴリズムの実装を想定した並列計算処理に関する故障検出・診断,誤り検出・訂正について検討を行ってきたが,今後非数値計算系処理を含む処理アルゴリズムの実装に対するアルゴリズムレベル耐故障化の理論への展開,オンライン誤り訂正と再構成の融合化への発展等を予定している.
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