配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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研究概要 |
BSS(blind source separation)は複数の信号源から伝播してセンサのところで混合された観測信号に基づき,元の信号源で放出されている信号を個別に分離抽出する方法であり,現在盛んに研究されている.しかしBSS法は各音源波が独立であることを前提としており,相関のある場合には機能しない. 本研究では各音源波に相関があっても,個別に分離抽出できる手法の開発を主目的とした.まず,最急降下法を基本とした方法について検討を行い,音源の位置に関しての初期推定値が10%程度であれば,最適解へ収束することを明らかとした.ここでは最適化を評価する評価基準について,新しい評価基準を導入し,ローカルミニマムに陥りにくいものであることを実験的に示した.ここでは反射波の混入はないという仮定が必要である.一般的な状況に適用できる方法にするためには,初期推定値を前記の精度にするための手法の開発と,反射波の存在する場合の対応策を開発しなければならない. 前者に関しては遺伝的アルゴリズムをベースに,音源位置に関しての情報が皆無な状態で,最急降下法により収束する範囲の音源位置推定法を開発した.遺伝的アルゴリズムから最急降下法への切り替えのタイミングを検知する方法も求め,反射波のない状態での音源波復元法が統一的に開発できた. 反射波の問題に関しては,反射波が一般的には無視しえないことから,実用化には避けてとおれない重要な課題である.まず直接波の遅れ時間がわかっている場合について検討し,その場合には音源波の分離が高精度に行える手法を開発した.次に問題になるのが直接波がわからないときである.この問題に関しては,反射波の成分が30%以下であれば問題なく推定できる手法を開発し,反射波を含む一般的環境への適応可能な手法に近づけることができた.本手法は音源波に相関があっても分離抽出できることが特徴であり,システムの完成を早急に行う予定である.
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