研究課題/領域番号 |
09450181
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 稔 名古屋大学, 学長 (40025937)
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研究分担者 |
山田 英司 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00293647)
野田 利弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80262872)
中野 正樹 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00252263)
浅岡 顕 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50093175)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 密な砂地盤 / 過剰水圧の不均質性 / 液状化 / 補強土 / 浸透破壊 / 進行性破壊 / 時間効果 |
研究概要 |
本年度は、密な砂地盤の液状化を伴う遅れ破壊の要因のひとつは、衝撃荷重等による急速な局部載荷によって地盤内に不均質な応力・過剰水圧分布の発生にあるという考えに基づき、昨年度作製した浸透力載荷装置を用いて、地盤内に不均質な応力、過剰水圧を与えた実験を行った。具体的には、上流・下流で地表面高さの異なる段差地盤とすること、浸透力を瞬間載荷、その後除荷して水位差一定にすることである。以下に得られた結果を示す。1)水載荷速度一定試験においては、水平地盤、段差地盤ともに、浸透力載荷速度効果がみられ、限界水位差が大きく変化する載荷速度のレンジも同じであり、破壊に至るまでの地盤表面の変形は、まず下流地盤の隆起があって、次に上流地盤の沈下が起こることがわかった。破壊領域については、速い載荷の方が、遅い載荷よりも大きくなる。しかし上流側に段差を設けた地盤の破壊領域の大きさは、載荷速度に依存しない。水平地盤にさらに段差を設ける場合(流線距離が長くなる)、下流側・上流側のどちらに段差を設けてもその限界水位差は水平のそれに比べて大きくなる。また、段差地盤については、下流側を高くした地盤の限界水位差の方が大きくなる。矢板付近流線距離が同じ場合、上流側を高くするよりも下流側を高くしたほうが、限界水位差は大きくなる。水平地盤はその間である。 2)水位差一定試験においては、水平地盤、段差地盤ともに、排水条件下での限界水位差より少し高い水位差で一定に保つと、遅れ破壊を生じた。その際の矢板付近の過剰水圧は、特に下流側地点において隆起とともに上昇している。特に下流を3cm高くした地盤においては、載荷後約2分で破壊するという、明確な遅れ破壊を示した。 3)瞬間載荷・除荷試験では、水位差一定試験において破壊に至らない水位差であっても、瞬間載荷・除荷という載荷履歴を与えると、破壊に至ることがあり、段差という初期状態による不均質性に、載荷履歴による不均質性を加えると、密な砂地盤においても複雑な液状化現象を引き起こす可能性があり、地盤内の過剰水圧は上昇しつつ、遅れ変形・破壊に至ることを示した。
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