研究課題/領域番号 |
09450189
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
仲座 栄三 琉球大学, 工学部, 助教授 (90180265)
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研究分担者 |
堤 純一郎 琉球大学, 工学部, 助教授 (60192647)
津嘉山 正光 琉球大学, 工学部, 教授 (50044996)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 塩害 / 台風 / 大気境界層 / 海陸風 / 微気象 / サンゴ礁 / 海塩粒子 / 気象緩和 / 珊瑚礁 / 海淵粒子 / 気候緩和 / スコール / 大気中塩分濃度 / 飛塩 |
研究概要 |
本研究では、台風時の波浪・流れ及び大気に関する総合的な観測を実施した。波浪・流れの観測には自記式波高計及びHFレーダーが用いられた。さらに、大気の観測には環境計測計(気温・湿度・風向・風速)を4台用いると共に、郵政省沖縄電波観測所のウィンドプロファイラー及びソーダを用いた。また、沖縄気象台によるゾンデデータもデータの検証用に用いられた。本研究プロジェクトにより以下の主たる成果が得られた。 (1)台風時に発生するスコールが内陸部にもたらす降雨量、海塩量などが明らかにされた。その結果、スコールがもたらす海塩量は強風により直接輸送される海塩量に匹敵する。強風がもたらす海塩量は海岸からの距離と共に減衰するがスコールがもたらす海塩量は殆ど減衰しない。初期降雨に含まれる海塩量は降雨中期に比較して数十倍の濃度となっており、さらに前線時の降雨に含まれる量の数十倍にも達する。その成果の一部は、土木学会、海岸工学論文集第45巻に発表された。 (2)台風に伴う強風や海塩粒子量の予測には、精度良い台風モデルの確立が急がれる。本研究では、これまで観測例が殆ど無い超大型台風に伴う強風の観測を大気境界層レーダーで観測することに成功した。このデータを用い、現存する台風モデルの検証を行った。また、広域でかつ精度良い風速分布予測モデルの開発を行った。その成果の一部は、風工学論文集(風工学会、1998年度)にて発表した。 (3)これまで強風時に海岸から大気へ供給される水蒸気量は、熱帯植林の量を遥かに上回るものと推測されてきた。その定量的な評価が行われた。 水蒸気量は海塩粒子濃度分布と関連づけられて検討され、それらが接地境界層規模で拡散していることを明らかにした。これまで、未知とされてきた高度10mを超える海塩粒子濃度分布を大気境界層の外縁まで測定し、その分布特性を明らかにした。この成果は、土木学会、海岸工学論文集第46巻に発表された。
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