研究課題/領域番号 |
09450196
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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研究分担者 |
滝川 智 (滝沢 智) 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (10206914)
浦瀬 太郎 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (60272366)
大瀧 雅寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70272367)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1997年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | ナノ濾過 / 低圧運転 / 共存物質 / 分離特性 / 河川水 / 地下水 / ヒ素 / THMFP / ナノろ過 / 逆浸透法 / 水処理 / 下水再利用 / 分離機構 |
研究概要 |
本研究は、特に低圧運転領域でのナノ濾過膜の共存物質存在下での分離特性、物質移動機構を解明することを目的としている。 本年度は、玉川浄水場に設置したパイロットプラント実験を行い、河川水のナノろ過処理における非解離物質・解離物質共存系における分離特性を詳細に調べた。塩高阻止率のNF膜を用いることにより、トリハロメタン前駆物質やその他の溶存有機物質の高い除去率と、溶存イオンの高い阻止率を半年以上の長期間連続運転において維持された。膜分離機構としては、サイズ排除効果、荷電効果、親和性を導入することにより説明可能であることが示された。また、修正Extended-Nernst Plank Equation式への正電荷膜への適用について検討した結果、各種溶存イオンに対して概ね良好な予測結果を与えることが検証された。ただし、硫酸イオンに付いては、理論値と実験値の乖離が認められ、混合イオンにおける理論式の更なる改良が必要で、今後の検討課題である。 また、ヒ素除去への低圧ナノ濾過の適用として、手押しポンプ及び自転車を利用した人力ナノ濾過装置を組み立て、実際にバングラデッシュ・ダッカ近郊の農村地域において、テスト運転を行った。3気圧程度の圧力でも、実際の地下水に対してろ週の透水性能の点では十分実用性があることが証明できた。ただし、高濃度のヒ素汚染地区においては、3価のヒ素化合物の存在割合が高く、その場合、3価のヒ素の除去性能は落ちるため、水質的には直接ろ過ではなく、何らかの簡易な酸化のための前処理が必要であることが示された。この点は、既に本研究の成果として物質移動機構の詳細が解明されており、対処法が明らかになっている。
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