研究課題/領域番号 |
09450231
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島田 寛 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00006157)
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研究分担者 |
大谷 義近 東北大学, 工学部, 助教授 (60245610)
北上 修 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (70250834)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 超微粒子 / 超常磁性 / 表面磁気異方性 / 磁区観察 / 強磁性体 |
研究概要 |
強磁性体は、そのサイズがnm付近に近づくと熱擾乱(超常磁性)が起こり、強磁性体材料としての機能を失う。本研究では、強磁性体微粒子の合成法を開発し、高分解能磁区観察法に応用するためにスパッター法によるnmサイズの微粒子合成法、合金化による高磁気エネルギー化、表面磁気異方性の解明と高磁気エネルギー化を研究した。以下がその成果である。 (1)気相成長したCo微粒子は数10nm以下ではfcc相が安定になり、より大きいサイズではhcp相が安定相、また数10nm以下でも準安定相としてhcp相が得られること、さらにこれらの形成機構は、各微粒子結晶形態の表面エネルギーで説明できる。 (2)この準安定相を安定化する目的でCo-Pt合金微粒子を作成するとhcp相が高体積率で得られること、また、その磁気異方性を実測すると、バルク値よりもはるかに高い値を示し、表面の磁気異方性(表面磁気異方性)の寄与が確認できた。 (3)強い表面磁気異方性が期待できる希土類-遷移金属合金の微粒子を作成し、その磁気的性質を調べたが、酸化の進行による特性の変化が起こった。微粒子を被覆する技術を開発し、酸化の進行を非常に遅くすることができたが、高い抗磁力は得られなかった。この原因は、酸化の過程により表面から内部に酸素が進入するため、表面の状態が乱れて表面磁気異方性が形成されないためと推定し、この実験は中断した。 (4)表面磁気異方性の計測・解析技術を開発し、遷移金属と酸化物からなるグラニュラー薄膜および多層膜を作成して表面磁気異方性の効果を調べ、Co/MgOの界面で非常に高い磁気異方性が存在することを確認した。 (5)以上から、当初の目的であった高磁気エネルギー微粒子の形成は、Co-Ptについて10nmまで可能となり、高い表面磁気異方性を確認できた。この結果は、より高い表面磁気異方性を持つ10nm以下の微粒子合成に重要な指針をあたえる。
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