研究課題/領域番号 |
09450237
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 教授 (10024366)
|
研究分担者 |
保田 英洋 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助手 (60210259)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
|
キーワード | 高エネルギー電子線 / 照射効果 / 非平衡相 / 超高圧電子顕微鏡 / 化合物半導体 |
研究概要 |
近年における材料開発は材料の機能性追及に加えて、微細加工による機能の高集積化が要求されてきている。本研究は、MeV電子の照射効果を用いて材料の非平衡処理を行うものである。このようなMeV電子線の照射効果を利用した材料創製は非平衡状態を微小領域に生成することが可能であり、ナノ領域における特異物性の発現が期待される。微小領域の非平衡相創製を実用化するために、MeVナノ電子ビームを利用したIII-V族化合物半導体基板の非平衡処理を取り上げた。GaSb、GaAs、InAs化合物半導体単結晶基板から電顕観察用薄膜試料を作製して、H-3000形超高圧電顕内においてこの試料の所定箇所(約500nmφの領域)を電子照射し、照射にともなう微細構造の変化をその場観察した。低温におけるMeV電子照射によって化合物半導体単結晶は化学的に不規則化し、さらに電子線量を増すと構造的に不規則化することが明らかになった。この化学的および構造的不規則化は照射温度の上昇とともに抑制され、ある臨界温度以上では起こらない。この臨界温度はGaSb、GaAs、InAsの順に低くなる。一方、これら化合物結晶の結合のイオン性は、GaSb、GaAs、InAsの順に大きくなる。この結果から、共有性に対するイオン性の尺度が高い化合物ほど、すなわち、異極性原子間の有効電荷移動が大きい化合物ほど化学的および構造的不規則化は起こりにくいと考えられる。化学的不規則化によって正四面体配位の単位胞には大きな歪エネルギーが蓄積されるが、その一部は構造的不規則化によって緩和されると考えられる。
|