配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2000年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
低融点と低電気抵抗を有する2本の金属棒の間に金属粉末を挿入し,加圧後4KA以上の電流を流すことにより,1秒程度の短い時間内で金属合金をつくる新しい方法を開発した.Al母材-Ni粉末-Al母材のサンドイッチ試料の多数の合金化実験結果に基づいて,次のように合金生成プロセスを推論した.粉末部の電気抵抗は金属棒の電気抵抗よりもはるかに大きいので,ジュール熱は粉末内で発生し,まず粉末を溶かす.それから高温の溶融粉末と接触している棒の領域が溶融し,局所スケールの拡散混合が起こる.混合部は混合により過熱され,境界面は混合が終わるまで棒を通って外側に近似的に一次元平面波として伝播する.通電時間が長い程,この混合波の伝播距離は長くなる. 現有の突合せ抵抗溶接装置を高容量(100kW)のものに取り替えて,多種類のサンドイッチ試料の合金化が可能なように改良し,多種類の合金と種々な長さの合金棒を得た.また,高速現象の熱力学を発展させると同時に,推論した合金生成プロセスが妥当かどうかを確かめるために熱波の解析(日本機会学会論文集に投稿中)を試みた.不可逆熱力学がAl中の衝撃波頭内の高速熱流に適用可能であった(日本機会学会論文集とJ.Appl.Phys.に掲載).これにより,不可逆熱力学が熱波伝播過程にも適用可能であることが分かった,熱波の解析において,Al棒の端面に温度のステップ関数を与えたところ,熱波はナノメートルのオーダしか伝播しなかった.このことから,推論した合金生成プロセスが妥当であること,拡散混合を考慮に入れた理論モデルの構築および挿入金属粉末内と被合金棒内の温度-時間履歴の計測が今後必要である分かった.
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