研究課題/領域番号 |
09450256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
幾原 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70192474)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1998年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1997年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | 双結晶 / アルミナ / ジルコニア / 高分解能電子顕微鏡法 / 電子エネルギー損失分光法 / 分子軌道法 / イメージシミュレーション / 対応粒界 / CSL boundary |
研究概要 |
セラミックスの各種力学特性は、粒界の構造や状態と密接に関係している。本研究は、(1)セラミックス双結晶の作製、(2)粒界原子・電子構造評価、(3)粒界方位と粒界すべり挙動の相関性、(4)粒界偏析の効果について、以下の研究実績を得た。(1)セラミックス双結晶の作製は、単結晶同士の加熱接合法により行い、ジルコニアの[110]傾角粒界およびアルミナの[1120]傾角粒界を作製した。双結晶の粒界エネルギーを粒界グルービング/AFM法を用いて測定した結果、粒界エネルギーは傾角に大きく依存し、セラミックスの場合でも対応方位関係においてエネルギーカスプが存在することが分かった。(2)双結晶の粒界を高分解能電子顕微鏡法により観察し、像シミュレーションと比較することにより粒界の原子構造を決定した。その結果、対応方位関係と粒界エネルギーおよび粒界の構造の乱れの相関性が明らかになった。また、得られた構造の安定性を分子軌道法により評価し、高分解能法で得られた結果と一致することが分かった。(3)各双結晶の粒界に最大せん断応力が負荷されるように高温圧縮試験を行った。その結果、対応方位関係と粒界すベリの間には相関性があることが判明した。しかし、特に高Σ粒界においては粒界エネルギーと粒界すべり量の相関性は見出されなかった。このことは、粒界すべりは主に粒界の構造の乱れに起因することを示している。(4)セラミックス粒界への偏析効果を明らかにするため、各種ドーパント添加セラミックスの粒界の高分解能電子顕微鏡法と像シミュレーションによる構造同定、電子エネルギー損失分光法と分子軌道法による状態密度分布の同定を行った。ジルコニアの粒界にはYが偏析しているがその結合状態は純ZrO_2結晶と近いこと、さらにこれにSiO_2を添加するとYに加えてSiが数nm幅で偏析し、その粒界結合力を増加させることが分かった。また、粒界性格によって偏析量が変化することも明らかにした。
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