配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
本年度はY_2O_3安定化ZrO_2(YSZ)/Ni界面の酸素ポテンシャルや合金の酸化挙動を検討した.YSZを透過する酸素イオンの流速と酸化皮膜であるNiOを透過するNiイオンの流束が等しいと仮定した速度論モデルを構築し,界面での酸素ポテンシャルやNiOの成長速度を計算した.その結果,NiOの成長速度は初期にはYSZの酸素透過が律速してほぼ直線的であり,時間の増加に伴いゆっくりと成長速度が低下していくことがわかった.また,界面の酸素分圧も徐々に増加する.モデルの検証実験として,YSZ板からなる密閉モジュール内にNiを入れて酸化したところ,NiOの皮膜はモデルと一致した. 昨年に引き続き,導電率によるNdCrO_3の標準ギブスエネルギの測定を行った.この方法ではそれぞれNd_2O_3あるいはCr_2O_3と二相共存にあるNdCrO_3の導電率の比,すなわち,主たる電荷担体の濃度比から 0.5Nd_2O_3+0.5Cr_2O_3→NdCrO_3 における反応の標準ギブスエネルギ変化を求めることができる.本年度は1673Kから1773Kまでの範囲で温度依存性を調査した.1673Kではおよそ40kJmol^<-1>と,他のランタノイドクロム酸塩から予測される値とよく一致したが,温度依存性はそれらのものよりも非常に大きくなった.これは高温ではNdCrO_3中の主たる電荷担体であるホールが増加し,理想希薄溶体近似が成立せず,導電率がホール濃度に比例しなくなったと考えられる. また,Aサイトの2価の陽イオンを有するペロブスカイト酸化物であるBaTiO_3のBaイオンの拡散係数を固体間反応実験により構成成分であるTiO_2の活量の関数として求めた.オーダー的にはランタノイドクロム酸塩のランタノイドイオンと同様の値となり,Aサイトのイオンの拡散係数が主に結晶構造に起因していると考えられる.
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