研究課題/領域番号 |
09450274
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大村 悦二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90144435)
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研究分担者 |
大道 博行 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (70144532)
宮本 勇 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029273)
西 紀昭 大阪大学, 工学部, 助手 (10273591)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | レーザアブレーション / 超短パルスレーザ / 金属 / 半導体 / コンピュータシミュレーション / 理論解析 / 分子動力学 / 熱流体解析 / レーザーアブレーション |
研究概要 |
本研究は、超短パルスレーザによって、新しい精密微細加工を実現するとともに、加工現象を明らかにすることを目的として、超短パルスレーザによる金属とシリコンの溶融・蒸発現象を、熱流体解析と分子動力学シミュレーションによって明らかにした。 熱流体解析では、蒸発潜熱と蒸発に伴う気液界面の移動、蒸発反跳圧力、マランゴニ力を考慮し、VOF法を導入して、蒸発を伴う溶融池流れを解析した。加工穴は、主に蒸発反跳圧力によって溶融池表面が押し下げられるために生じる。このとき誘起される溶融池内の流れが溶融金属を周囲に押しやることで穴周囲に盛上りが生じる。この流れはレーザ照射終了後も持続し盛上りが成長する。盛上りの周囲が擬固するときに、マランゴニ力が盛上りを助長する。 分子動力学シミュレーションでは、すでに提案している改良型分子動力学法を用いて、超短パルスレーザによる金属の蒸発形態に2種類あることを示した。一つは、パルス幅が非常に短い場合に生じる爆発的な蒸発であり、もう一つは、パルス幅が長いときに生じる比較的穏やかな蒸発である。前者では、蒸発粒子がクラスタとなって飛散しやすいのに対して、後者では、ばらばらに飛散しやすい。これらの相違は、パルス幅10psが目安となる。シリコンについては、Stillinger-Weberポテンシャルを用いた三次元シミュレーションを行った。Si(111)面の方がSi(100)面よりも内部への衝撃波の伝播速度が速く、パルス幅が5psといった比較的長いときは、S(111)面の方が溶融深さも深くなる。Si(111)方向には原子配列が層状であり、格子振動が伝播しやすいためである。これに対して、パルス幅が0.2psといった極めて短いときは、溶融深さは表面の結晶構造にほとんど依存しない。極超短パルスでは、レーザの内部吸収の影響が大きく、熱伝導の効果が非常に小さいためである。
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