配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
1)26,26,27,28tetrakis(carboxymethoxy)5,11,17,23tetrakis(1,1,3,3tetramethylbutyl)calix〔4〕areneならびにそのモノマー体であるp-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenoxyacetic acidを合成し、様々な金属イオン、特に鉛(II)イオンに対しての抽出挙動を比較した。モノマー体では鉄(III)イオンが鉛イオンよりも遥かに選択的に抽出されるのに対して、前者のカリックスアレーン化合物ではこれが逆転して鉛の方が鉄よりも選択的に抽出されるという興味深い結果が得られた。様々な抽出データより2個の鉛イオンが1分子の抽出剤に抽出されることが明らかとなった。これは鉛イオンの抽出前後の^1H-NMRのケミカルシフトのデータからも実証された。 2)有機リン酸系配位子及びカリックスアレーン化合物と水と配位したランタノイド錯体との新しい分子力場をHOMEC上で構築した。ここで構築した分子力場をランタノイド錯体の構造計算から得られる立体エネルギーと抽出平衡定数との定量的構造物性相関(QSPR)へ応用したところ、両者は、良好な直線的相関関係が得られた。これによりこの分子力場は、ランタノイドを選択的に抽出することができる新しい有機リン酸系配位子を分子設計するために有効な分子モデリング法であることが示された。 3)カテコールアミン(CA)の溶媒抽出法による分離精製の基礎研究として、ドーパミン(DA)、アドレナリン(Ad)およびノルアドレナリン(NA)の塩酸水溶液中からの抽出および逆抽出のメカニズムを解明することを試みた。リン酸型のカリックスアレーン化合物による抽出との比較および基礎データを得るという目的で本研究では同じ官能基を有する非環状の抽出剤であるビス(2-エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)を用いて実験を行った。全てのCAは、D2EHPAによってイオン交換機構でCA:D2EHPA=1:4の錯体として抽出されることを明らかにし、抽出平衡定数を求めた。得られた抽出平衡定数について、連続媒体型の溶媒効果を考慮した半経験的分子軌道法を用いた分子モデリングによる定量的構造物性相関(QSPR)による考察を行った。 4)既往の方法により25,26,27,28-テトラキス(カルボキシメトキシ)カリックス〔4〕アレーンを合成し、これをトリオキサンを用いて架橋重合して樹脂化した。第2鉄と鉛イオンに対しての高い選択性が見られ、鉛の飽和吸着容量は2.44mol/kgと市販のキレート樹脂並の高い値が観測された。この樹脂を充填したカラムを用いて亜鉛と鉛の分離を行ったところ鉛の選択的分離・濃縮が達成された。
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