配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1997年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
本研究では光クロマトグラフィーにおいて微粒子に加わる輻射圧と流れの力を理論的に計算し、分離に影響を与える因子を解析するとともに,本法をタンパク質の分析,微生物や精子の力の測定,赤血球の変形能の評価に応用した。幾何光学モデルに基づき光クロマトグラフィーの基礎理論を構築し,シミュレーションにより分離に及ぼす種々の因子について考察した。粒子の大きさと保持位置の関係,レーザー出力,流速が分解能に与える影響を理論的に計算した結果,レーザー出力を大きくすることで,適用できる粒子の大きさの範囲は広がり,理論上,分子レベルの大きさのものも分離が可能であることが明らかとなった。さらに,本法を抗体被覆微粒子の結合反応を利用するイムノアッセイに応用した。抗体を被覆した微粒子を抗原と反応させるとき,抗原を橋掛けとして微粒子同志が結合する。反応後に,光クロマトグラフィーにより,単一の微粒子と結合した微粒子を分離し,その反応率を求めることで抗原の定量を行った。また,分離セル内で反応を行い、単一分子レベルで結合と解離反応をリアルタイムで観測できることを示した。次いで光ファネルを微生物が有する力の測定に応用した。活動している微生物をセル内に導入すると,レーザービーム内に進入した微生物は勾配力を受け,ビーム軸内に引き込まれる。このとき微生物は光から逃れようとし,微生物がレーザー光軸から脱出した位置を測定することで,微生物が持つ力を求めることができた。本手法は精子の運動能力評価においても有効であることが明らかとなった。また,光ファネルにより赤血球の変形の評価を行った。レーザー出力を一定に保ち,赤血球がビームウェスト付近を通過するように流速を調整して観察を行うと,赤血球が変形する様子を観察することができた。本法により伸張度を測定した結果,新しい赤血球が古い赤血球より変形能が大きいことを確認した。
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