研究課題/領域番号 |
09450314
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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研究分担者 |
武次 徹也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90280932)
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90251363)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1998年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1997年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | Multireference Moeller-Plesset法 / 励起状態 / ポリアセン / ポルフィリン / Q-バンド / 分子積分 / 密度汎関数法 / RESC 相対論理論 / O-バンド / RESC相対論理論 / MRMP / ポリフィリン / 密度汎関数 / cusp条件 |
研究概要 |
本研究を通してMultireference Moeller-Plesset法を実用的に確立し、これまでab initio分子軌道法では取り扱うことが困難であった大きな分子系の励起状態を高い精度でしかも比較的簡単に計算できることを明らかにした。 ベンゼンからテトラセンまでのn-n^*励起状態に計算し、理論計算の精度を確認するとともに、これまで議論のあったスペクトルを同定し、ポリアセンの励起状態の一般的傾向を明らかにした。また、Pairing Propertyにより、励起状態を共有結合型とイオン結合型に分類し、2つのタイプの励起状態ではその性質が異なり、電子相関効果も大きく異なることを示すとともに、遷移モーメントの出現機構を理論的に解明した。これを利用してポルフェリン(フリーベース、金属ポルフェリン)の可視部から近紫外部に現れる弱い吸収強度のQ-バンドの理論的研究を行った。ポルフェリン電子構造を解析し、ポルフェリン骨格がナフタセンと類似の交互炭化水素系であること、Pairing PropertiesからQ-バンドの吸収強度が弱いのはPseudoparity禁制のためであること、Q-バンドの強度を強くするにはPseudoparity対称性を破ればよいことを明らかにした。この理論的解析に基づき、ポルフェリン骨格への化学的修飾(ビロールの還元、アゾ化、ポルフェリンの中心に金属の導入など)を利用してPseudoparity対称性を破り、Q-バンドの吸収波長や吸収強度がいかにして制御できるかを理論的に予測した。現在、レチナール等の励起状態の研究を継続中である。 その他に、分子積分の新しいアルゴリズムを開発し、プログラムを作成した。このアルゴリズムは現在、世界最速である。また、密度汎関数法の新しい相関汎関数(OP)を提唱した。OPはただ1つのパラメータを含む簡単な形にも拘わらず、厳密な相関汎関数の満たすべき条件全て満足する汎関数であり、数値的にもこれまで提唱されている汎関数の精度を凌ぐものである。さらに、重原子を含む系を取り扱うために、新しい相対理論、RESCを提唱した。
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