研究課題/領域番号 |
09450316
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
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研究分担者 |
今西 誠之 三重大学, 機器分析センター, 助教授 (20223331)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
1998年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1997年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | リチウムイオン電池 / 炭素材料 / 窒化物 / インターカレーション / イオン導電体 / リチウム二次電池 / 負極物質 / リチウムインターカレーション / リチウム窒化物 / リチウム電極金属窒化物 |
研究概要 |
グラファイト負極のリチウムインターカレーションを^7LiNMR法によって追跡した結果、層間に侵入したリチウムのプラス電荷を遮蔽するように黒鉛層内の電導電子が移動していることが示唆された。また黒鉛層の積層パターンがABAからAAA型に変化するのはこの遮蔽を有効に行うためではないかと考えられる。プラス電荷の遮蔽には積層パターンの変化以外に層間距離を伸ばすという方法も考えられる。層間距離のまちまちなハードカーボンにリチウムが大量に収蔵されるのはこちらの機構が働いているのではないかと考えられる。何らかの方法で安定に層間距離を伸ばすことができれば、相変化を伴わない単一相インターカレーションが可能になり乱層構造が問題にならないことも期待できる。また炭素網面の相対的スライドは他の層間化合物と異なり機構が単純なため、可逆性が非常に高いと予想される。従ってグラファイト負極において層をスタックさせている原因を取り除くことができれば高可逆性および高容量化を実現することができる。 窒化物負極に関しては酸化物正極を組み合わせた時のセル特性を主に検討した。正極としてLiMn_2O_4,を、負極として欠陥を有するLi_<2.6-z>Co_<0.4>Nと組み合わせて充電から電池をスタートした。Li_<2.6>Co_<0.4>Nのリチウム脱離時(セルにおける放電)における初期電位がサイクルを重ねる毎に上昇する現象が確認された。正極単体の特性曲線を見ると電解液の分解が同時に起こっているため充電側の容量が放電側より大きくなっている。この現象がLi_<2.6>Co_<0.4>N内のリチウム量の変化をもたらしたものと考えられる。Li_<2.6>Co_<0.4>Nを負極として用いる場合、以上の点に留意してセルを作成する必要がある。次にあらかじめヨウ素を窒化物に作用させ、リチウムを酸化除去することでさらにエネルギー密度の高いセルを作成することを試みた。Li_<1.37>Co_<0.4>N/LiMn_2O_4の充放電特性を調べたところ、正極であるLiMn_2O_4について約100mAhg^<-1>、負極であるLi_<1.37>Co_<0.4>Nの容量は約400mAhg^<-1>であり、非常に大きな容量が得られると同時に可逆性にも優れていることが分かった。
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