研究課題/領域番号 |
09450335
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 九州大学 (1998-1999) 長崎大学 (1997) |
研究代表者 |
松村 功啓 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (60026309)
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研究分担者 |
真木 俊英 長崎大学, 薬学部, 助手 (10291535)
木下 敏夫 長崎大学, 薬学部, 助教授 (60039641)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | 電極酸化 / 光学活性 / α-アミノ酸 / ホフマン転位 / アルキル化 / 不斉記憶 / 不斉合成 / 選択性 / カルバメート / 炭素間結合形成 / シクロプロパン化 |
研究概要 |
光学活性化合物の合成は現代有機合成化学の最も重要なトピックスの一つである。本研究では電極酸化を鍵段階として、入手容易で安価なα-アミノ酸を光学活性α-アルキル-α-アミノ酸、新規含窒素不斉修飾基等の有用化合物へと構造変換し、その生成物を利用した精密有機合成反応を展開した。また、光学活性α-アミノ酸から誘導した不斉修飾基を持つ求核剤を利用してα-メトキシカルバメートのα位に不斉炭素間結合を行うことが出来た。さらに、従来法では光学活性が失われてしまう反応を光学活性を失うことなく達成できる電極酸化の新反応場も開拓した。これらの結果の要旨は以下のとおりである。 (1)L-プロリン、L-リジン誘導体の電極酸化を鍵反応として、光学活性αーアルキルプロリン類、α-アルキル-α-ピペリコリン酸類を合成できた。(2)L-リジンからの電極酸化生成物を利用して非環状の光学活性ω-カルボキシル-α-アルキル-α-アミノ酸および新規光学活性不斉修飾基を合成した。(3)光学活性α-アミノ酸誘導体を不斉修飾基とする炭素間結合反応とこの反応を利用した光学活性β-アミノ酸誘導体の合成を達成した。(4)ホフマン転移に適した新反応場を開拓した。即ち、トリフルオロエタノール(TFEOH)溶媒を用いた電解ホフマン転位により、L-グルタミンから、高い光学純度で2,4-ジアミノ酪酸誘導体を得ることに成功した。さらにTFEOH溶媒を用いた電解ホフマン転位生成物であるトリフルオロエトキシカルボニルアミンから容易に非対称ウレアが合成できることも見いだした。(5)ある種の光学活性α-アミノ酸誘導体の非コルベ反応において不斉記憶現象を見いだした。(6)環状アミノ化合物のCα-Cβ結合が効率的に切断される新方法を開拓し、この方法をL-ピペコリン酸誘導体の環開裂に適用した。
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