研究課題/領域番号 |
09450336
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮浦 憲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10002049)
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研究分担者 |
山本 靖典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271646)
石山 竜生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00232348)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 遷移金属 / ジホウ素化合物 / アリルホウ素化合物 / ホウ素化 / クロスカップリング / ビアリール / 異性化反応 / 1,4-付加反応 / マイケル付加 / アリル型ホウ素化合物 / ビアリール化合物 / ジホウ素化 / 白金触媒 / 触媒的異性化 / ロジウム触媒 / チオホウ素化 / パラジウム触媒 / ボリルメチル亜鉛試薬 |
研究概要 |
遷移金属触媒を用いるホウ素化合物の反応は、単独では成し得なかった様々な利用が可能であり、ホウ素化合物の有機合成への応用範囲を飛躍的に増大することが期待できる。本研究では以下の課題に従い、遷移金属触媒反応を利用したホウ素反応剤の開発とそれを利用した選択的有機合成について調査した。 1.アルキンの触媒的チオホウ素化反応による有機合成 9-(alkylthio)-9-borabicyclo[3.3.1]noneの末端アルキンヘの付加はPd(PPh_3)_4により高収率で9-[(Z)-2-(alkylthio)-1-alkenyl]-9-BBN誘導体を与えた。反応は位置及び立体選択的に進行し、様々な官能基を有する基質においても問題なく進行した。 2.ジホウ素化合物を利用する付加反応 ジホウ素化合物による触媒的ジホウ素化は直接的なホウ素化合物の合成法として有用であるが、我々は白金触媒存在下Bis(pinacolato)diboronがアルキン、アルケン、1,3-ジエン、1,2-ジエン、α,β-不飽和ケトン、メチレンシクロプロパン類で進行し、それぞれ対応するジホウ素化合物を与えることを見いだした。 3.ジホウ素化合物を利用するカップリング反応 アリール、ビニルハロゲン化物およびトリフラートのジホウ素化合物とのクロスカップリシグ反応は、パラジウム触媒、塩基の存在下進行し、アリール、ビニルホウ素化合物を収率良<与えた。また同条件下、アリルクロライド、アリルアセタートにおいてもカップリング反応は進行し、直接的アリルホウ素化合物の合成に成功した。 4.芳香族系有機材料開発開発を目的としたビアリール合成 ビアリールは機能性芳香族系材料として医薬品、液晶開発の炭素骨格に利用されている。これらの工業的簡便かつ経済的合成を開発した。アリールボロン酸とアリールメシラートなどアリールスルホナート類およびクロロベンゼン類とのニッケル触媒を用いるカップリング反応によるビアリール合成を達成した。クロロベンゼン上の置換基は、電子吸引基で醸化付加が速く置換位置に関係なく反応は進行するが電子供与基では酸化付加が遅く触媒失活が速いので配位子を過剰量用いる事でビアリールを高収率で得ることに成功した。特に窒素などを含むヘテロ芳香族系化合物の合成にも成功した。 5.ホウ素化合物のロジウム触媒による付加反応の開発 有機ボロン酸のホウ素-炭素結合は共有結合性が高<、イオン反応に対して極めて不活性であるが、ロジウム触媒存在下、有機ボロン酸のα,β-不飽和カルボニル化合物(ケトン、アルデヒド、エステル、アミド)への1,4-付加反応、アルデヒド、イミンヘの1,2-付加反応が容易に進行する事を見いだした。また、キラルホスフィン配位子を用いる事で不斉付加反応にも成功した。 6.遷移金属触媒によるアリル型ホウ素反応剤の合成 触媒的二重結合異性化反応によるγ-アルコキシアリルホウ素化合物のの短段階合成法の確立と不斉1,2-ジオール合成に成功した。また、イリジウム触媒による異性化反応によるアリルシリルエーテルからシリルエノールエーテルヘの立体選択的短段階合成を達成した。本反応により異性化反応の機構が解明できた。さらに、様々な3-(alkoxy)-2-propenylボラン誘導体を本異性化反応により合成する事に成功した。
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