研究課題/領域番号 |
09450338
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相田 卓三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00167769)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | キウリティー / ヤンシング / ポルフィリン / カルボン酸 / 全置換ポルフィリン / 記憶 / 不斉フォトクロミズム / キラリティー / センシング |
研究概要 |
本研究は、D2h-対称性を有する全置換ポルフィリンを用いて、「不斉化合物の絶対配置に関する情報を自分自身の骨格内に読み込み、記憶可能な」全く新しいインテリジェントキラリティーセンシング分子の開発を目的としている。この化合物は、4つのピロールユニットが交互に上、下を向いたサドル型非平面構造を有し、それ自体で「不斉」となるが、ポルフィリン環の高速な反転のため、鏡像体を分離することはできない。しかし、水素結合を介して、マンデル酸などの不斉有機酸を捕捉させると、ゲストの不斉情報が骨格内に転写され、一方の鏡像体を選択的に与え、可視領域において、特徴的な円偏光二色性スペクトルを示す。これを利用することにより、円偏光二色性スペクトルにより、カルボン酸の絶対配置を決定することができる。 本年度の研究においては、不斉転写のメカニズムを詳細に検討した。すなわち、全置換ポルフィリンとマンデル酸の錯体の構造をX線結晶構造解析、二次元NMRから解析し、骨格上の置換基と不斉転写の関連性を明らかにした。さらに、これと関連して、ポルフィリンの周辺に導入したアリール基のオルト置換基の種類に、不斉転写の効率、選択性が大きく依存することを見いだした。また、この不斉転写は、ポルフィリンを不斉ゲストと固相中で単に混合することによっても起こることを見いだした。この際、溶液系では不斉転写できない両性イオン性のアミノ酸をゲストに用いても、不斉転写が可能であるという興味深い知見を得た。
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