研究課題/領域番号 |
09450363
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
則末 尚志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028227)
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研究分担者 |
中村 洋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90243162)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 高分子電解度 / 分子形態 / 排除体積効果 / 持続長 / 静電的相互作用 / 光散乱 / 回転半径 / 並進拡散係数 / 高分子電解質 / 粘度 / 多糖 / 散乱関数 |
研究概要 |
本研究は、NaCl水溶液中における天然、合成高分子電解質の荷電グループ間相互作用が分子形態に及ぼす効果(すなわち堅さへの効果)と静電的排除体積効果を定量的に明らかにすることを目的として行った。試料にはヒアルロン酸(Na塩)、サクシノグリカン(Na塩)の多糖類、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(NaPSS)、ポリイソプレンスルホン酸ナトリウム(NaPI)の合成高分子を用い、それらの回転半径、固有粘度、並進拡散係数(あるいは流体力学的半径)等を静的及び動的光散乱、沈降平衡、X線小角散乱、粘度測定により塩濃度と分子量の関数として決定した。得られたデータを、非摂動みみず鎖についての理論と排除体積効果に対する準二定数理論の組み合わせにより解析し、分子パラメータ(持続長、主鎖経路に沿ったモノマー長、鎖の太さ)並びに排除体積強度を求めた。ただし、サクシノグリカンには排除体積効果の考慮は不要であった。高イオン強度で屈曲性の高いNaPSSとNaPI並びに比較的堅いヒアルロン酸については、イオン強度の低下に伴う分子サイズ(固有粘度、回転半径、流体力学的半径)の増大が堅さと排除体積の相乗効果によることが実証された。さらに、イオン強度が0.01-0.05Mより高ければ、これらの物理量の鎖長依存性は非電解質鎖に対する準二定数理論の枠内で矛盾がなく(非電解質高分子について確立されたのと同程度の正確さで)記述できることが示された。他方、サクシノグリカン鎖のサイズはイオン強度に鈍感であった。これは、この電解質多糖が二重らせんDNAと同程度の(鎖に固有の)剛直性を持つためであった。その構造(40゜C以下で安定)は、回転半径と固有粘度の分子量依存性の解析と旋光度データより、二重らせんであることが強く示唆された。
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