研究課題/領域番号 |
09450365
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
加藤 政雄 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70214400)
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研究分担者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (90198309)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | ポリサイラミン / ポリサイロキシエチレングリコール / ハイドロゲル / ゴム弾性転移 / 刺激応答性ゲル / アクチュエータ / DDS / スピノーダル分解 / ボリサイラミン / 相転移 / 刺激答性ゲル / テレケリックス / 弾性率 |
研究概要 |
本研究では新しい信号応答性ゲルの創成を目的とし、以下のように目的にアプローチした。 i)主鎖に親水性オリゴキシエチレン基とオリゴジメチルシロキサン基を交互に有するポリマー(ポリサイロキシエチレングリコール)の新規合成反応の確立:脱離基としてアミノ基を利用した新しい宿業反応により標記ポリマーの選択的合成反応を確立した。 ii)ポリサイロキシエチレングリコール水溶液の温度応答特性解析:親水性のオリゴオキシエチレンセグメントと疎水性のオリゴジメチルシロキサンセグメントを交互に有するポリサイロキシエチレングリコールは低温で水和して水に溶解し、高温で脱水和して相分離する下限臨界共溶温度を有することがわかった。相転移はきわめてシャープで、組成を変化させることにより相転移温度が効率的に制御された。 iii)主鎖にジアミンと有機ケイ素を交互にする新規ポリマー(ポリサイラミン)の合成法の確立・リチウムアルキルアミドを触媒としたジアミンとジビニルシラン類のアニオン重付加により、末端に定量的に2級アミノ基を有する標記ポリマーの合成法を確立した。 iv)ポリサイラミン水溶液のpH及び温度応答特性解析:ポリサイラミンはアミノ基のプロトン化-脱プロトン化により水溶性が変化するため、pH及び温度応答性の材料であるだけでなく、プロトン化に伴い、分子鎖の運動性が著しく変化する、ゴム弾性転移を示すことがわかった。 v)ポリサイラミンゲルの信号応答性挙動の解明:ポリサイラミンの両末端をメタクリルアミド基に変換し、ラシカル反応によりポリサイラミンゲルを調製した。このゲルはプロトン化に伴い、分子鎖が広がって剛直化するため、膨潤して堅くなる、これまでにない信号応答特性を示すことが明らかとなった。また、膨潤状態のゲルを塩基性水溶液に投入すると、ゲル表面が相転移し、極めて安定なスキン層を形成し、数ヶ月間にわたって安定に存在した。これは剛直な内部膨潤ネットワークと表面スキン層内部のプロトン・溶媒交換が極めて起こりにくいため、準安定状態で長時間形を保持できるためと考えられ、信号に対応して薬物放出できる新しい材料として期待される。
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