研究課題/領域番号 |
09450368
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶 昭次郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80013704)
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研究分担者 |
佐藤 哲也 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 助手 (80249937)
渡辺 紀徳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10201211)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1997年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 超音速燃焼 / スクラムジェット / 熱閉塞 / 複合閉塞 / 高エンタルピー風洞 / 宇宙往還機 / 水素燃焼 |
研究概要 |
宇宙往還機や極超音速輸送機の推進機関としてスクラムジェットエンジンが注目されている。その技術的課題は安定な超音速燃焼の実現であるが、これを阻止するものは熱閉塞と複合閉塞である。一般に極超音速機では機体とエンジンの一体化が行われるが、亜音速機や超音速機と異なり、極超音速機の場合は機体に沿って発達する境界層をエンジン外部に逸らすことができず、これをエンジン内に取込むことを余儀なくされる。主流と機体境界層流のように性質の異なる流体が一緒に空気取入口からエンジンに取込まれると、各々の流れから成る流管は極めて複雑かつ相互に影響しつつ各流管断面積を変化させる。結果として、主流部は超音速を保ったまま境界層流部の存在ゆえに、流れ場全体として閉塞状態になる。これが複合閉塞現象である。 本研究では現実のスクラムジェットエンジンが熱閉塞や複合閉塞に陥る状況を正確に模擬するため、エンジンモデル内で水素燃焼を行わせて実験検証することを試みた。そのためエンジンモジュールで超音速燃焼を実現すべく、超音速風洞に水素燃料による予備燃焼器を付加し、全温約2000Kまで加熱できるよう改造した。当初振動燃焼に悩まされたが、予備燃焼器内に多孔板を取付け、振動燃焼を抑止することに成功し、安定して空気温度を風洞中央部で1700℃以上に上げることを実現した。さらに水素燃料の壁面垂直噴射による自発着火を確認した後、エンジンモジュールを風洞試験部壁面に装着し、モジュール内への水素燃料噴射圧を変えて全温上昇と壁面圧力の変化する様子を計測した。その結果、水素噴射圧が低い間はモジュール内で超音速燃焼が実現されているが、水素噴射圧を高めていくとモジュール内の静圧が上がり亜音速燃焼に遷移すること、そして圧力擾乱の振幅が大きくなると同時にその影響が上流に遡及してエンジンモジュールが不始動状態に陥ることが確認された。
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