配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
本研究は研究代表者らが提案している流体力の推定近似式の精度の向上を図り,また,船体・プロペラ・舵相互の干渉を表す係数等を簡便に推定する方法について検討を行うことにより,船舶の操縦運動特性を実用的な見地から十分な精度で簡便に推定するための標準的な操縦性能推定法を開発することを目的としている。 9年度は,流体力データの収集を目的として,九州大学船舶運動性能試験水槽において拘束模型試験を実施し,船体に作用する前後力,横力および回頭モーメントの計測を行った。10年度はこれら試験から得られたデータを利用して,船体に作用する流体力を理論的に推定する方法について検討を行った。その結果,本研究において開発した推定法を用いることにより,通常の操縦運動においては,比較的精度良く流体力を推定することが可能であることを示した。また,港湾内等における離接岸時のように低速で大偏角を伴う運動に対しては,9年度に引き続き大偏角時の操縦運動の推定法の開発を念頭において,広範囲の偏角βに対して適用可能な新しい数学モデルの構築について検討を行った。 今年度は,これまで得られた成果を基に操縦流体力推定のための実用的な新しい数学モデルの検討を行なった。その結果,従来の数学モデルでは不十分であった針路不安定な船舶について簡便な近似式を得ることができた。例えば,新たな近似式を用いると,船の長さや幅そして喫水などの主要目が同一でも船尾形状が異なる船舶の運動性能の違いを表現できることを示した。 このようなことから,本研究では一応の操縦流体力の推定のための近似式を求めることができ,当初の目的は達成されたものと思われる。
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